3DSM Prusa 、水面下で着々とやってます。
いや別に隠し立てしてるわけじゃありません。ちょっといじっては確認の出力、面白そうなデータを Thingivers で見つけて出力してみてうまく行かずに試行錯誤、っていう無限ループにはまってます。
ちょっと前の話ですが、Thingivers からリザードンのデータをいただいてきました。ヒトカゲの最終進化型ですね。
で、何度やってもうまくいきません。
ここまで出力できて、あとがだめです。サポートが倒れていたり、気付くとノズル詰まりのような症状で吐出できていなかったり。
ノズル詰まりのようなというのは、エクストルーダからコツコツ音がして樹脂が出てこない状態。明らかにステッピングモータが脱調してるわけです。
炭化した樹脂がノズルに詰まってるんだろうと、ホットエンドをバラして掃除してみますが一向に良くならない。どうも原因は他にありそう。
Slic3rにはツールパスを表示する機能があります。問題が起きているあたりを見て、なんとなく閃きました。ちょうどこのあたりは島が点在するレイヤなんですね。
島と島の間をノズルが移動する時は、溶けたフィラメントが垂れてこないようにズルズルっと鼻をすすります(表現が汚いなぁ)。この押し出しと逆方向にモータを回転させることをリトラクトといいます。
ボーデンエクストルーダの場合、ボーデンチューブの抵抗とかフィラメントとチューブの隙間とかの影響でちょっとだけ反応が鈍いので、リトラクトは多めに設定するのが一般的。最低でも2mmくらいは引き込みます。場合によってはもっと増やします。
で、島がたくさんあってリトラクトが頻発すると、脱調して供給が上手くいかなくなるってことかなと予想。
試しにリトラクトの量を減らしてみると、糸引きは酷いですが脱調はしなくなりました。どうやらビンゴの模様です。
リトラクトが原因なら、エクストルーダをボーデンタイプからオンキャリッジに変更すれば、問題は一気に解決するでしょう。デルタ以外の3Dプリンタの殆どがオンキャリッジタイプを採用している理由はこれなのかもしれません。
ボーデンタイプの利点は、ヘッド周りの重量が軽くなるので加減速と速度を上げやすいということ。でもキンキンに加速度を上げると振動もするし音もうるさい。つまりメカ寿命を縮めているわけで、あまりいいことはないように思います。
経験的な話ですが、個々の可動軸の加速度が装置全体のサイクルタイムに与える影響はそれほど大きくありません。造形にかかる時間を縮めるには、軸の加速度以外のところ、段取りとか前処理とか、そのあたりを改善したほうがずっと効きます。
ってことでボーデンタイプのエクストルーダをオンキャリッジに改造することにします。
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