最終更新: 2017/05/10(Wed)23:05

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Ciclop/Horus(1) 概要

3DスキャナCiclop/Horusはオープンソースの3Dスキャナです。スペインの BQ labs によって GitHub で開発、公開されています。

BQ labs

Ciclop が3Dスキャナ本体、Horusが専用のソフトウェアです。

Ciclop 3D Scaner
Horus

Ciclop は Arduino で動作します。Arduino 用ファームウェアが必要です。
Horus 3D Scanner Firmware
ただしこのファームウェアは Horus のインストーラーに含まれているため、存在を意識する必要はありません。

Ciclop 3Dスキャナ

★Ciclop 3D Scaner
まずは Ciclop について簡単に説明しましょう。この写真は GitHub のものを引用しました。
写真右側にある黒い円盤状のものがターンテーブル。スキャンしたい物体を載せるところです。
写真左側にある本体は、中央にはWebカメラ、腕の先にはラインレーザーモジュールが設置されています。

原理的な話をするとこうです。ターンテーブル上の物体に向けてラインレーザーを照射し、物体表面に映し出されたレーザー光をカメラで読み込みます。ターンテーブルを0.45°回転させてまたレーザーを照射しカメラで読みます。これを繰り返してターンテーブルが1周360°回るとスキャン完了という塩梅です。もちろん回転ピッチは変更することができます。
レーザーと画像の位置関係は、事前に市松模様のパターンを使ってキャリブレーションすることで得られます。

★Turn table
ターンテーブルの直径は200mmで、これが最大のスキャン範囲になります。
ターンテーブルはステッピングモータによるダイレクト駆動、ベアリングでスラスト荷重を支える構造です。ベアリングは外径110mm内径70mm幅13mmで、比較的大型で高価な16014を使用します。ステッピングモーターは DIY 界では最も一般的な、40mm角の NEMA17 です。
この写真は Thingivers のものを引用しました。

★Line laser module
ラインレーザーモジュールというのは、早い話がレーザーポインタみたいなものですが、通常のレーザーポインタは「点」を照射するのに対して、ラインレーザーはその名の通り「線」を照射します。

正式ドキュメント内にスペックが書いてありますが、照射角60度以上、波長650nm (つまり赤色)、出力2.5mW、5V駆動、Class1 のものを使用します。さらにオリジナルの3Dプリントパーツを使うのなら外径は8mm全長26mmのものを選ぶ必要があります。
焦点距離は固定で構いませんが調整は必要です。調整ができるものを選びましょう。
なお今のところ赤以外の色、例えばグリーンレーザーなどには対応していないと思われます。
この写真は Horusの正式ドキュメントのものを引用しました。

★Logitech C270
カメラはUSB接続のWebカメラを利用します。Logitech C270 という安価なエントリーモデル品で、メインは Skype などのチャット用途品ですね。これをもっといいものに替えればスキャン結果が良くなるのかというと、ちょっとなんともいえません。
ラインレーザーモジュールと同様に手動で焦点距離の調整が必要です。

★Arduino UNO and zum Scan
制御ボードは Arduino UNO と専用シールド zum Scan を使います。
zum Scan
BQ の Arduino 互換ボード ZUM BT 328 もサポートされていますが、Ciclop を動かしたいだけなら UNO で十分でしょう。UNO と zum Scan の互換品がセットになったものが AliExpress で売っています。

そのほかに12V1.5Aの電源、3Dプリント部品、M8のネジ棒などが必要です。オリジナルに拘るのであれば BOMリストを参照したほうがよいでしょう。

Horus

★Horus
Ciclop を制御してスキャンデータを取り込むマルチプラットフォームなフロントエンドです。3Dプリンタでいうところの Printrun にあたります。

最新版は 0.2rc1 です。
Welcome to Horus’s documentation!

旧版の 0.1.2.4 とはまるで違います。特にキャリブレーションまわりが格段に使いやすくなりました。間違えて 0.1.2.4 をダウンロードしないように。かなり痛い目にあいますよ。

Horus は Point Cloud (.ply)というデータを生成するところまでしかやってくれません。ポイントクラウドはその名の通り3Dの点のデータの集合です。
ポイントクラウドを編集して面を張り3Dプリント用の stl にするためには、他のソフトウェアが必要です。Horus の開発チームは「MeshLab」や「CloudCompare」を推奨しています。

MeshLab

情報源

前述の GitHub の他で主要なところはこれくらいでしょう。
ちなみにいま確認したらBQのWebサイトでは「Previous models」に追いやられてますね。やっぱり尻すぼみ気味なんでしょうか。まあ、儲からないんでしょう。3Dプリンタなどと違って消耗品もなにもないビジネスですからねぇ。

次回は極貧アレンジをした Ciclop とその組み立てを紹介する予定です。

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