電気式タコメータの誤動作
トイラジとはまったく関係ない記事です。
いままで何度もバイクネタ書こうと思ってたんですが、なんとなく踏ん切りがつかなかったんです。
今を遡ること2年前。維持費の問題からそれまで乗っていたTL1000Sを売却し、代わりにやってきたのがこのボルティーです。
もちろん覚悟はしていたのですが、TLに比べると非力さはハンパないです。そのかわり燃費は最高。TLは13km/L以下で、満タンスタートでも航続距離は180kmに届きませんでしたから、そこそこ気合を入れて走っても32km/Lをたたき出すボルティーとの違いは歴然です。気負わずに走れるボルティー、これはこれで結構気に入ってます。
まったくのドノーマルで2000kmほど乗ったのですが、いろいろな面でちょっとゆとりが出てきたので、軽いカスタムを施すことにしました。電気式タコメータ、いわゆる電タコの装着です。
最初に用意した電タコは、モンキー用として売られていた素性不明の品。たぶん中国製ATV用の代物です。これがまったくだめで、針はぴくりとも動きませんでした。
それなりに名前の通っているものでないとだめなのかと思い、次に入手したのがデイトナのもの。ちょっと前のモデルで、ブラックフェイス、メッキボディ、裏側には感度調整用のロータリースイッチと気筒数設定用のディップスイッチ、ハーネスは4本で、文字盤は透過式で文字が緑色に光ります。
取り付けは仮に、エーモンの汎用ステーを切った曲げたで適当に。いずれちゃんとした板金加工でつくり直す予定です。
さて、問題の配線。
照明用+12Vの茶を除くと、赤黒白の3本のケーブルがあります。意味づけはそれぞれ+12V、アース、ピックアップです。スズキ車の場合、イグニッションスイッチ(メインキー)と連動して+12Vの来るラインはオレンジですね。ヘッドライト内の適当なカプラ、右ハンドルスイッチから分岐しました。アースはボディアースでもよかったのですが「なんとなく」ウインカーの黒白から分岐。ピックアップはギボシで延長してプラグコードに数周巻きつけます。
キーをひねると、タコメータはいったん振り切れて0に戻ります。デイトナ製品はみなこのオープニングチェックがあるようです。
セルを回してエンジンスタート。かなり激しく針は振れますが、まあこんなもんだろうという感じ。アイドリングで1000~1500rpmあたりを指します。
が、しかし。
アクセルを開けて指示値3500rpmを超えると、「ぷん」と振り切れて張り付いてしまいます。アクセルを戻せばもとどおり1500rpm。
ピックアップからノイズを拾っているのだろうと、巻き回数を変えたりイグニッションコイルに近づけたり離したり、感度調整をいじったり。なにをしてもまったく変化ナシ。わに口クリップでイグニッションコイルの一次側に割り込ませてみても変わらず。そうこうしている間に日没時間切れとなり、翌週のツーリングはそのままで出かけることにしました。
ツーリング仲間のその筋に詳しいヤツにきいてみると、たぶんノイズ、ピックアップか電源ラインかどちらからか切り分けて次の手を考えるべしとのアドバイスをもらいました。
ツーリングの帰り道に怪現象発生。ちょっと距離があったので、いやいや高速に乗ったのですが、ほぼ全開で巡航している最中、車線変更のためウインカーを出すと、ウインカーが点灯しているときだけそれらしい数値を示すではないですか。もちろん消灯時は振り切れ。このことから、電源ラインが怪しそうだとあたりを付けました。
切り分けのため別電源を用意します。原付のバッテリーをはずしてメーターの電源線のみ直結。アクセルをあおると、ふらふらしているもののまあまあの値を示しました。やっぱりこれかなと。
次に、ノイズがアース線にのっている可能性を検証するため、バッテリーのマイナス端子から独立したハーネスを引きます。結果変わらず。となると+12Vのオレンジ線があやしい。
バッテリー直結で+12Vの独立線を引いてみます。ほとんど効果なし。それにバッテリー直結じゃ困ります。
ここで考えました。
ウインカー点灯時だけまともに動作するということは、過電圧ぎみなのではないだろうか。ちゃんと整流したきれいな+12Vをいれてあげればよいのでは、と。
メーター電源入力部をテスタであたると14V弱。ただしエンジンの回転数とは関係なく一定。エンジンが回っていないと12V強でした。ただ、アナログテスタではスパイクノイズまではわかりません。オシロは持ってないし使い方もわからないし。
ひとまず過電圧の線で対策することにしました。
で、入手したのが、低ドロップタイプの3端子レギュレータLM2940CT-12です。ナショナルセミコンダクタ製。(データシート)
秋月電子で、コンデンサ2種とデータシート付で100円で買えます。ちなみにまったく同じセットがオクで売ってまして、送料の関係でそちらから入手しました。
ユニバーサル基板に実装するつもりでしたが、えいやの空中配線です。左が入力右が出力。ヒートシンクはまだつけてません。この状態で動作確認。テスタで出力電圧をあたり、問題なく12Vが出ていたので、防水と短絡防止のためヒートシンク部を除いてホットメルトで固めてしまいます。メーターの電源線とオレンジ線の間にこれを割り込ませ、ライトケース内に収めました。
さらに、ピックアップ線をイグニッションコイルの一次側白に割り込ませました。ファストンの持ち合わせがなかったので、端子にハンダ付けしてしまいました。
近所を10kmほど走って、ピックアップの感度調整。
結果は上々。ほとんどぶれることもなく、きれいに動くようになりました。
もしかすると簡単なローパスフィルタをかませてもよかったのかも知れませんが、結果オーライってことで。
あとはどのくらいの熱をもつのかが心配なところ。え、データシートに書いてある?
あと基本的なところで、レギュレートレクチファイヤがパンクしかかってるような気がするのは気のせい?
(14255km)
コメント
13件のコメントがあります
MLの投稿からググって来ました。
停止時電圧が12V強ってのはちと低くありません?
あ、でもバッテリー端子間電圧じゃなくてタコの受電部の電圧か。
バッテリー端子間で測ると、少し違った挙動が見えてくるんじゃないでしょうか?
はやいなぁ。仕事しなさい(おれもか)
バッテリーは結構くたびれてきているので、12V強は妥当な線だと思います。冬の間の深放電と過充電の繰り返しなので。この冬は充電器を用意したので定期的に補充電するつもりです。
3端子レギュレータLM2940CT-12のデータシートを見て思ったのですが、入力側より出力側の方が大きなコンデンサが付いているようですね。確かに入力側はバッテリーという超巨大なコンデンサ(のようなもの)が付いているので、発振防止用に積層コンデンサで十分なのかもしれませんが。
低ドロップタイプではなくLM7805で原因不明の発振に散々悩まされた過去があるので、低ドロップタイプは違うデバイスとして考えた方がいいのでしょうかね。
一応、電源電圧が安定したので動作しているようですが、ラインフィルタを電源ラインに追加するのも手ですね。
簡単には小型のフェライトコアに配線を通す方法もあります。
1度に様々な事を行うと、何が良いのか悪いのかわからないので、1つずつ分けて書きますが。
基本的に4輪も2輪も、たいがいの車はシャーシアースなので、シャーシとマイナス端子との接触不良も起こりえるので、塗装膜を剥がし導電グリスを塗り端子を締めなおすのも方法です。
あとは・・・ボンディング(アーシングとも言うようですが)するのも方法ですが、逆に電子機器にノイズが回りこむ事もあるので、良し悪しです。方法はいずれ。
実は最初に検討したのはLM7812でした。でも一次側に出力+2.5Vが必要なので候補から外しています。標準0.5Vのドロップアウト電圧という点にひかれて取り寄せました。
付属の日本語データシートの回路例では、入力側0.47μF、出力側22μF以上となっています。写真ではわかりにくいですが、実際に付属していたのは積層コンデンサは0.1μF、電解コンデンサは47μFでした。
ボディアースから回り込むノイズ(もしくは電圧降下)は真っ先に疑ったところです。しかしバッ直でアース線を引いても変化がなかったため、動力線の問題だろうと結論付けしました。
クルマや単車の+12Vってのは、まったく当てにならないものだと痛感しました。知ってしまうと、ナビとかの精密機器を何の対策もしないこのラインへつなぐのは怖いですね。
どうしてもつなぐ場合は、一度インバータをかましてAC100Vをつくってから、ACアダプタ経由とかのほうが安心かもしれません。もちろん車載前提の機器なら問題ないのでしょうが。
この環境で問題なく動くイグナイタが、逆にすごいなぁと感心してしまいます。
ちなみに、フェライトコアでとれるノイズはギガヘルツ帯だと聞いたことがあるのですが、真偽のほどはどうなんでしょうね。ボルティの場合4スト単気筒なので、最大値で10000rpm=170pps程度のパルスを拾えれば問題ないはずです。
いつか実験しなければと思っていたので思い立った時に実験してみます。低ドロップアウト電圧の3端子レギュレータがどこで発振するのか知っておきたいので。
オルタネータ(ダイナモも含めて)の電気って、本当に信頼ならないと思います。車の修理屋のオシロで電源の波形を見た事がありますが、パルスが100KHzから250KHzまで変動していて、これは安定化とはいえないシロモノでした。そして電圧も最高で15V近くまで上がる始末ですし。
とある故障車にリレーを追加した時に、小容量のリレーのため、なんとブザーの様にリレー接点から音が出た事がありました。これが30A接点ほどのリレーであればコイルにかなりの電流が流れるのと駆動部分が広いので、チャタリングが発生しないというのが分かりました。
昔の車で8トラのカーステレオが載った車など、ブレーキ踏むと8トラテープの回転が下がって音程が下がる珍現象も知ってます。それこそ電源回路が安定化されていなかったからでしょうね。
「ブザー」には笑いました。
小学生の時分に、エナメル線巻いてソレノイドからつくるタイプのキットをつくったっけなぁなんて思い出しました。あ、こちらは正真正銘のブザーだったんですが。
どうも、この3端子レギュレータが気になってしかたないので、ちょっと実験してみました。
液晶電圧計まで取り付けた電源(スイッチング電源にLM317を使った電圧可変回路を追加)から低ドロップ3端子レギュレータに電気を供給して、まずはLEDで負荷をかけてみました。
(10mA)
電源をON/OFFしても全く問題なかったのですが、供給電圧を動作保障限界電圧より下げていくと、入力電圧に比例して出力電圧も下がっていったのですが、上げ下げを繰り返していると突然暴れだしました。つまり、12.6V以下です。
20mAしか流していないのに、1A以上流れているようにヒートシンクが熱くなっていました。
でも、出力電圧が0Vになってから12.6V以上を供給すると何ごともなかったように動きます。面白い結果ですね。
ただ、毎回同じ結果にならないので、何か違う要素がありそうですが、データシートでは出力側は22μF以上取り付けろと書いているので100μFを付けても、何度かに1度は発振状態となりました。
(ICアンプを付けiPodから音を出すと、見事にピーギャーと音がしました)
そして、この手のレギュレータでは、お約束のダイオードの追加を。出力側から入力側に向って小信号用シリコンダオードを付けてみました。
様々な事をしても全く問題が起こりません。なるほど、先人の知恵ですね。
つまり、3端子レギュレータの入力側より出力側の電圧が高い場合に回路上で何か問題が発生するようですが・・・
何故なのでしょうねぇ。
もっとも、LEDへの電流量を増やすと(30mA以上)安定するのかもしれませんが、今日の実験はここまでということで。
やっぱりダイオードは入れるべきですかね。ちょっとだけ迷ったんですが、まあいいやでいれなかったんです。
さて、手持ちのエレキ箱に、小信号用ダイオードの在庫はあったっけかな。
>ちなみに、フェライトコアでとれるノイズ
様々な需要に合わせてフェライトコアはあるようです。
村田製作所
http://www.murata.co.jp/pro...
北川工業
http://www.kitagawa-ind.com...
日辰電機
http://www.nisshin-electric...
評価も書かれているようですが・・・
http://item.rakuten.co.jp/a...
下は1MHzから上はギガ帯まで、それぞれ用途に合わせた
物があるようです。
電源ラインのノイズ防止に使うのであれば、市販されているノイズフィルターで十分な気もしますが。。。
情報ありがとうございます。北川のフェライトコアなら職場にごろごろしてますので試してみてもいいですね。
>「ブザー」には
数年前、ブザーとベルになるキットを買いました。懐かしかったもので。
そのメーカでは、3極モータキットもありました。それこそ手巻きモータで恐ろしく低速で回るものでした(笑
>やっぱりダイオードは入れるべきですかね
実際に搭載して問題が出ないようであれば、そのままでもOKと思いますが。
ただ、セル付きですとバッテリー電圧が10V以下まで下がる事も珍しくないので、3端子レギュレータにとっては過酷な環境だと思います。
>北川のフェライトコア
バイクだとクランプ式の物でも設置箇所に困るかもしれませんが。
4輪のバッテリーケーブルの所にも、プラス/マイナス双方に3個ずつ取り付けています。
効能は・・・よくわかりません(笑