内リングのサビ落とし
デイトナ電気式タコメータモデファイのその後、まずは内リングのお色直しです。
簡単確実にサビ落としできる方法を探していたのですが、どれも一長一短でなかなか難しい。
最もポピュラーなのはサンポールドブ漬け。酸の力で赤錆を剥がすわけです。一般的にメッキの下地処理や塗装の足付けにも酸洗いという工程はありますから、至極最もな手法ではあります。ただし今回の場合、相手が非常に薄い板金部品であることと、サビの根が結構深いため、酸洗すると穴が開いてしまいそうなので見送りました。
ちなみにもともとサンポールはサビ取り剤として開発されたものらしいのですが、現在流通しているものは界面活性剤の配分などが変わっているみたいです。
続いて錆転換剤を使う方法。手に入りやすいのはHoltsの「サビチェンジャー」ですかね。赤錆は進行性で基材をぼろぼろに侵していきますが、黒錆は不動体でそれ自体が強固な皮膜になり、水分の浸入を防いでくれます。ステンレス表面の不動体やアルミのアルマイトと同じ原理ですね。錆転換剤は化学反応で赤錆を黒錆に変えてくれるという代物です。
この「転換」というところが曲者で、錆の発生していない部分には何の変化もありません。赤錆があまりにも厚いと、内部までは黒錆化されないという話もあります。
そんなこんなで、サビ取りはいつもの力技ですることにしました。
用意したのは、ちょっと切れ味の鈍った平ヤスリ、布ヤスリ、ワイヤーブラシ、それにスチールウールです。ひたすら削り、磨きます。
この程度で勘弁してもらいます。
表側の黒い塗装をはがすため、一昼夜シンナー風呂に入っていただきます。シンナーは車補修用のホルツ製。クレオスのものではありません。
塗装がやわらかくなったところで、スクレーパでこそぎ落とします。OLFAの「鉄の爪」を使用。価格もリーズナブルで使い勝手もよく、愛用してます。塗料が全部はがれたら、回り込んでいたサビを修正し表面を磨いておきます。
さて、表面処理はちょっと悩みどころ。
元と同じようにオモテ塗装ウラ無処理ではまた錆びてしまいます。塗装するか、何らかの化学反応で染めるか。
染めるというと黒染。RoHS指令前は、キャップボルトの表面処理といえばもっぱらこの黒染でした。前の職場には黒染液というものがあって、その中に一晩漬けておくだけで真っ黒になり具合が良かったのですが、個人向けに流通しているものはなさそうです。それに黒染の防錆能力はひじょーに低いです。
実銃と同様にガンブルーで染めるという方法を見つけましたが、下地の表面の状態によって仕上がりが左右されるらしいということがわかりました。ちなみに液は1000円程度で入手可能。
ならばということで塗装。普通にやってもつまらないので、常温亜鉛メッキをかけてその上に塗ることにします。
ただのサーフェイサーみたいなものですが、亜鉛含有率96%のスプレーで溶融亜鉛めっきと同等の防錆力があるらしいです。詳細はメーカーサイト ローバル を参照。個人で購入するのはちょっとつらいかも。会社の備品棚のものを借用しました。
スプレー直後はだいぶ色が濃くてビビりましたが、乾燥するとクレオスのサーフェイサー程度の色合いになります。ちょっと厚塗りでボテッとなってしまいましたが、完全乾燥後、ペーパーで適度にならしておきます。
最後につや消し黒を吹いて終了。ローバルのサイトによると、重ねてカラー塗装する場合はエポローバルを使うべきとありましたが、とりあえず気にしません。塗料は自宅在庫の耐熱ブラックを使用。
むう、最後の塗装を失敗しました。気が向いたら塗りなおしますが今日はここまで。
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コメント
2件のコメントがあります
地道な作業ご苦労様です。オイラだったら面倒だからリューターがグラインダーでガシガシ削っちゃいそうですが、やっぱり手作業の方が綺麗になりますかね?
錆取りの地道な作業が嫌いなんで錆転換剤は非常に興味があるんですが(<横着者)、近所のホームセンターではサビチェンジャー以外に置いてありません。しかしサビチェンは効きがイマイチという噂も聞きます。もっと強力な奴って無いんですかね?
なんか教えて君みたいで申し訳ありません(^^;
サビの程度にもよると思いますが、今回の案件は相手がメッチャ薄い板金だったので、動力工具を使うと穴が開いてしまいそうでした。持ってればブラストが一番楽だと思いまふ。
サビ転換剤は、花咲かGあたりが有名ですが、どうなんでしょうね。
ガンブルーはゴルフのアイアンのヘッドの染めに使われてたりして、ヒジョーに興味あるんですがね。