リヤサスのOHと換装(2)順番が肝心
さて、前回の記事でちょっと触れましたが、一通り分解したところで気になったのが下部エンドアイとそのロックナットの錆です。風化してなくなってしまったバンプラバーも再生したい。
バンプラバーはフルストロークした時の底突きを防ぐクッションですな。ロックナットにかぶせるようにして取り付けます。つまりエンドアイとロックナットをロッドから取り外さないとつけられません。
で、あんまり深いことを考えずにロックナットを緩めてエンドアイを外しました。
減衰圧調整用のシャフト端を引っ張ると、このくらいスライドします。中にはOリングらしきものが。
なるほど、エンドアイを取り付けるときはこのシャフトを出しておいて、対面カット部分を合わせるのだなぁ、なんてのんきに見ていたのですが…
固着していたOリングが緩んだんでしょう。見る見るうちに中からオイルが溢れ出してきました。
圧力がかかっているのだから冷静に考えれば当然なんですが、これには焦りました。ウエスで押さえながらせっかく外したエンドアイを取り付け。でもかなりの量のオイルが出てしまったのは明らか。
ダンパーロッドを手でストロークさせてみます。ストロークエンド付近で「ぐじゅっっ」っと嫌な音。エアを噛んでしまったんですな。こりゃまずい。抜けていなかったらガワだけ掃除して組み込むつもりだったのでガッカリ度合いも大きいです。
こうなれば仕方ない。オイル交換(充填)もせざるを得ません。オイルを入れ換えるためにはガスも抜かなきゃなりません。窒素ガスで1MPaもの圧をかけるすべは? オイルは何を使う? そもそもガスはどうやって抜く? ひたすらグーグル先生にお願いしました。
で、リザーバータンクの中にプラダというゴム製の空気室があるらしい、リザーバータンクの底にあるフタはこじって開ける、フタの中にバルブがあるはずということがわかりました。
フタとボディの隙間にマイナスドライバをねじ込んでこじってみましたが、一向に歯が立ちません。仕方ない、フタはあきらめましょう。
リザーバータンクのフタにキリで穴を開け、そこを足掛かりにてこの原理でこじ開けることにしました。センターは出っ張っていたので中に何かあるはずで、キリでやっつけてしまわないようにあえて外しました。フタを開けると案の定、バルブキャップが現れました。ちょっとだけホッとしました。
キャップを外すとバルブピンが。タイヤのエアバルブと同じ構造です。センターにあるピンを恐る恐る突っつくと、プシュッっと短い音を立ててガスが抜けました。
バルブがついているアルミの座を中に押し込んでやるとCリングが現れるはず。そのCリングを外せばプラダが抜けるはずです。
…渾身の力を込めて押してみましたがびくとも動きません。あてものをしてプラハンでたたいてもダメ。結局職場へ持って行って、大きな万力で強引に押し込みました。Cリングを細いマイナスドライバで苦労して外し、さてプラダの引き抜き。これも全然びくともしません。ゴムにはよろしくないとわかっていながら、CRCを隙間に入れたりしてバルブキャップをウォータプライヤで掴み、どうにか抜き取りました。
オイルを捨てて中を洗浄。
取り外したプラダです。ガスを抜いた状態だとへこんだきり戻ってきません。変形しているんでしょう。まあこのまま再利用するしかないんですけどね。
次回へ続きます。
Tweet
コメント
4件のコメントがあります
さすがです。やっぱり磨いてそのまま付けるとかはされないのですね。純正サスのオーバーホールまでされるなんて手が込んでいらっしゃいます!!!
Dトラのリヤサスはスプリングの組み換えをしただけだったから簡単でしたが、やっぱりこういうのを見るとオイル交換とかしてみたいなぁ。自分では手を出しませんが(^^;
いや、最初はそのつもりだったんですけどねぇ。やむなくこんな展開に…
錐で穴開けちゃったら元に戻らないんぢゃないの?
12/8に新宿でkms87忘年会したいんだけと来ませんか、kyu&おーき
そうですよ。なので「フタはあきらめましょう」ってわけです。
忘年会、行きたいけどパス。新宿は遠いっス。