リヤサスのOHと換装(7)自宅メッキ
前回は錆びサビだったナットを塩酸(サンポール)で酸洗した後、重曹水で中和するところまでやりました。きれいにサビは落ちたものの、このままではまた赤サビが再発してしまいます。
まず最初にリン酸塩処理を試してみました。一番安かったエーゼットのサビアウトを近所のホームセンターで購入。サビ取りした後の素材に原液のまま筆で塗り、拭き取りも水洗いもせずに2、3日放置してみました。
表面が微妙に茶色になったので処理はされているようでしたが、残ったべたつきを拭き取りしばらく放置しておいたら、うっすらとサビが浮いてきました。うーん、これだけではダメですね。
で、本題です。
世の中には偉い人がいるもので、一般家庭で入手できるごくごく一般的なものだけで、電解メッキを成功させているひとの情報に行き着きました。サンポールのサビ取り並に良く知られた情報のようです。
面白そうなので実践してみることにしました。
まず最初に、これから説明するのは「電解亜鉛メッキ」についてです。
実際のところ亜鉛は白く錆びます。電位差の関係で鉄より錆びやすいので、鉄に亜鉛メッキすると亜鉛が犠牲となって鉄を守ります。
本来はユニクロやニッケルメッキの下地処理として行うもので、外観を求められる表面に出る部分に施すものではありません。そこんところ誤解なきように。
サンポールでサビ取りをする環境は整っているので、追加で必要なものは乾電池とワニ口クリップ付きのケーブル、ステンレスのあく取り網くらい。実際にやってみると網も不用でした。
亜鉛板はマンガン電池を分解して入手します。電池の分解は初めてでちょっとビビりましたが、こちらを参考に問題なく完了。あたりまえですが使用済み電池よりも新品のほうが亜鉛缶の状態がよいです。
これが電気亜鉛メッキ装置です。簡単でしょ。電池二本直列で電圧は3V。マイナス極には被メッキ物、プラス極には亜鉛缶をつなぎます。最初のテストではステンレス網にナットを載せていますが、ナットに直接針金を巻きつけて、針金をワニ口クリップでつまんだほうが早いです。ダブルクリップは亜鉛缶をメッキ漕に固定するためのもので、通電はしません。
サンポール(ネオナイス)は水で二倍くらいに薄めたものを使います。
通電を開始すると泡だらけになります。時々中の液を撹拌したり、ナットの向きを変えたり裏返したりしてじっくりと待ちます。
左はメッキ液から引き上げて重曹水で中和したもの、右はさらにビカールで磨いたものです。中和直後は白く曇っていますが、磨くと金属色でピカピカになりましたよ。こりゃすごい。
さらにスプリングの座部分もメッキしてみました。ムラがありますがこれはメッキ中に向きを変えなかったのと下地処理がいまいちだったためでしょう。メッキ液に亜鉛が溶け出していくため、だんだんメッキに要する時間が短くなってきます。より少ない時間でメッキがかかるってことです。
さて、様子もつかめたので最大の強敵であるイニシャルアジャスタをメッキしてみましょう。
左が処理前の状態。サンポール(ネオナイス)につけたのが右。気温が低かったせいか反応は鈍めです。液は使いまわしているので、サビの塊が沈殿してますね。サンポール(ネオナイス)から取り出して重曹水に入れる直前の様子。サンポール(ネオナイス)が錆色に変色しているのが見えますね。液中でごしごしこすったためで、しばらく置いておくとサビが沈んで上澄みは透明になります。
中和して水洗いしたところ。竹輪状の根本や段差の奥まったところがサビ色っぽく見えますが、これはたぶんクロームメッキの下地メッキではないかと思われます。
サビがひどかった部分は表面が荒れてボツボツになってます。布ヤスリで均しておきます。
メッキすると白っぽくなります。メッキがのっていないところはもとのクロームメッキがしっかり残ってるところでしょう。
で、ビカールで磨くと金属光沢が出てきます。それなりにしっかりとついているみたいで、簡単に剥がれることもなさそうです。なにより、最初のサビだらけの写真と比べてみるとその違いは明らかですよね。
なお、穴の中やかなり奥まっている部分はメッキ液がうまく流れなかったようなので、赤サビ転換防錆剤を塗ってごまかすことにします。
次回は塗装部品のの仕上げの予定。外観の化粧直しもそろそろ先が見えてきましたよ。
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