Dynabook TX/67DSを修理する
- カテゴリ: 雑記
- 投稿日時: 2015/04/29(水) 22:03:01
居間での家族共用使用として仕立てていたDynabook TX/3514CDSTV。内蔵miniPCIに無線LANカードを仕込んだり、メモリを最大限に増設したり、壊れた光学ドライブを何度か買い替えたりとそれなりに手を入れてきましたが、気づいてみれば製造から11年を数えるご老体。PCの世界で10年といえば、一昔どころの話ではないです。いろいろ問題が出てきます。特にOSについてはどうしようもありません。
WindowsXPのサポートが終了したのは昨年2014年の4月。新たな脆弱性に対応できないだけとタカをくくっていたら、XPでは動かないソフトがちらほらと増えてきました。
一番まいったのはInternet Exploler。XPだとIEは8までしか対応していません。
自分は嫌いなので全く使わないIEですが家族は使います。Windowsのユーザーアカウントは一本で運用しているので、自分のブックマークやらつながっているいろいろなアカウントやらがひっちゃかめっちゃかになってしまう危険を冒してまでもFirefoxを使わせるのはちょっと無理。
先日のiPhone6購入騒ぎの時に、だいぶ前カミさん用に取得して死蔵していたGmailアカウントをOutlook Expressに設定しようとしたら、ブラウザもメーラも古いからだめよと。致し方なくChromeとThunderbirdを入れてみたり。
じゃWindows7に載せ替えようと調べてみると、チップセットが対応していないのでこれもダメと。
あー、めんどくさい。
で、一念発起して新たなノートPCを調達することにしました。とはいってももちろん新品が買えるわけもないので、例によってヤフオク頼み。背中を押してくれたのは期間限定Tポイントの存在です。使わないと消滅しちゃうのでもったいないと。うまい商売ですな。
ノートパソコンはダイナブックが好きです。東芝製にこだわりがあるわけではないのだけど、NECの独壇場だった当時、DOS/Vパソコンのダイナブックは一種のステイタスだったわけで、リブレットを初めて見たときの感激とかもろもろあって、次もダイナブックにしようかとぼんやりと考えておりました。
自分がメインで使用しているデスクトップPCはCore2Duo E7300(2.66GHz)なので、まあ最低限Core2Duoが載っていればなんとか使い物になるのじゃないかなという観点で模様眺めしていました。Core2Duoのダイナブックは2006年ごろから発売されています。なのですでに9年落ち。ともかくWindows7さえ動けばよしと。
TXシリーズに的を絞ってウォッチリストを増やしつつ、OSのクリーンインストールでまたTX/3514CDSTVのときみたいにドライバ探しの旅に出るのもアレだったので、世の中的にはどんな感じかと調べてみました。すると予想もしていなかった不具合が。かの有名な「バッテリーでは動くけどACアダプタをつなぐとフリーズ・再起動を繰り返す」病です。
マザーボードのCPUの裏側にあるプロードライザの劣化(容量抜け)が原因のようですね。ブロードライザは早い話がコンデンサの塊みたいなもので、高周波ノイズを抑えるデバイスみたいです。
思うに、プロードライザが悪いのではなくて東芝さんの熱設計がうまくないのではなかろうかと。残念なところに売っちゃったなぁと、メーカのNECトーキンも思っていることでしょう。
冷却FANまわりや内部の清掃を怠ると、だいたい2年くらいでこのプロードライザがいかれてしまうようです。東芝に修理依頼するとマザーボード交換で結構な金額が請求される模様。よって一般の人はそのまま手放すので、見た目はほとんど新品同様の不動品がジャンク屋にあふれていると。修理さえできればかなりおいしい機体です。
そんなこんなでうちに来たのは2007年秋冬モデルのTX/67DS。最後は競り合いになってしまいましたが、なんとか2000円台前半で落札。メモリは手持ちのものを使い、ACアダプタとハードディスクは別途調達しましたよ。ちなみにACアダプタは19V 4.74A非純正品で550円、SATAハードディスクは80GBで700円でした。
出品者の説明では「ACアダプタがなく動作確認していないジャンク」。ドキドキしながら動作確認です。
完全放電しているはずなのでまずはACアダプタを接続。AC接続とバッテリー充電中のLEDが点きました。よしよし。
スイッチオン。画面は真っ暗のまま。起動しません。
しばらくおいて少々充電されたころを見計らってACアダプタ取り外し。
早速分解します。
HDマウンタのネジがなくならないようにテープ止めしてあったりして、前のオーナーは結構マメで気づかいの人だったようです。ただし内部の埃はすごかった。FANの出口とヒートシンクの間に目いっぱい詰まってました。キーボードのキーの裏側にも同じ種類の綿埃。ハードディスクを外した人と、実際に使用していた人は違うんでしょうね、たぶん。
このPC、前に分解修理された形跡があります。
キーボードの上方、メインスイッチとスピーカーを覆っているパネルが割れています。外し方を知らないとやっつけてしまうところ。
裏側のネジが一本ありません。内蔵のFelliCaポートのFFCが意図的に外されています。マザーボードのベタアースに錆びた指紋が焼き付いてます。
なんとなく嫌な予感がしつつ、プロードライザを見てみると…
なぜか透明テープがはさんで貼ってあります。絶縁したかったのかな。絶縁する必要はないはずですけどね。
マザーボードを取り出してみました。ブロードライザはスズメッキ線をつかったオーソドックスな方法で取り付けられています。偉そうなことは言えませんがハンダ付けがイマイチですね。
などといいつつ、プロードライザを取り外してはんだ付けをやり直してみましたが、症状は変わりませんでした。
さて部材発注です。全く同じプロードライザOE128も入手可能ですが、これを低ESRの導電性高分子タンタルコンデンサに置き換えるのがよりスマートっぽいです。330μF2.5V品を4ヶセットで出品している人がいましたので、やっぱりヤフオクで購入。送料込500円即決って、たぶん安いんでしょう。あー、でもデバイスの値段ってびっくりするくらい安いから、そこそこ儲かってるのかもしれませぬ。
ベタアースをなめちゃいけません。22Wのコテでは太刀打ちできませんでした。このためにわざわざ、40Wのコテを物置から出してきました。
下に緑色の線が見えていますが、ADP3208のリファレンス電圧ラインにコンデンサをかましてなまらせるとよいときいたので、ケーブルのハンダ付けだけしておきました。ちなみにピンピッチが0.5mmなのでPhotoVision 202HWのUARTどころの騒ぎではありません。とっても難しかったです。
バラック状態で電源ON。最初真っ暗でなにも表示されず焦りましたが、メモリを付け忘れていました。メモリがないとBIOSすら起動しません。
写真の通り、ACアダプタ給電でBIOSが起動。成功したみたいです。なぜかフランス語表記です。
あとは掃除をして元通り組み上げて完成です。
Windows7のインストールは特筆することもなく終了。このモデル、Vistaがプリインストールされていたためか、東芝のサイトからWindows7用アップグレードドライバセットが簡単に入手できました。いやぁ便利な時代になったもんですね。
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