ハンドスピナーを自作する
- カテゴリ: 雑記
- 投稿日時: 2017/06/07(水) 23:56:16
先週の土曜日のこと。どういう流れだったか忘れましたが、家族とハンドスピナーの話になりました。ハンドスピナーというのは例えばこれ。
You Tube で検索すると有名なユーチューバーの方が実演している動画が見られますね。なんだか巷で流行っているようです。
手裏剣のような形状の中心にベアリングが仕込まれていて、中央部を手で保持しつつ羽の部分を弾いて回し、ジャイロ効果や反力を楽しんだりするもののようです。至ってシンプルなおもちゃです。
で、こんなの簡単につくれるよと口が滑ったところ、え、マジ、どうやってつくるの、いつできるのとグイグイと食いついて来られてしまったので、ホントにつくることになりました。ははっ。
形状と原理ぐらいしか知らなかったのでとりあえずググって勉強。ベアリングのサイズは 608 が一般的なようです。内径 8mm 外経 22mm 厚さ 7mm。インラインスケートとかにも使われているサイズ。あと、羽の部分につける錘は六角ナットを使うのが簡単そうです。
もちろん本体部分は 3Dプリンターで出力する前提なので、まずはモデリングしないとです。ここで新兵器の登場。
ちょっと前に Autodesk Fusion360 をインストールしました。いままで3Dプリント用のモデリングには SketchUp を使っていましたが、何気なくつぶやいたツイートに中の人の反応がありまして、うちの PC 環境でも簡単なものならそこそこ動きそうだという感触を得ましたので、イチから環境構築してみることにしたわけです。
メインの PC は自作機で、Core2 Duo E7500 (2.93GHz) となかなか寂しいスペックですが、SketchUp を少しでも軽く動かすために OpenGL 対応の Quadro を載せてます。ビデオメモリは 1GB。Fusion360 ではこのビデオメモリの量が重要のようで、DirectX の GeForce とかでも問題ないみたいですね。
で、なぜイチから環境構築かというと、Fusion360 は x64 でないとインストールすらできないというわけで。これまではずっと x86 で通してきたんですよ。XP、7、10 とずっと32ビット環境だったんですね。なのでメインメモリも上限の 4GB しか載んでませんでした。
Windows10 を32ビットから64ビットに変更するのは、ライセンスの範囲内で問題ないです。それはそれとして、いま常用しているアプリケーションがちゃんと動くか、動かない場合の代替品はあるかというところで、かなーり時間と手間を食ってしまいました。
さて、そんなこんなでインストールした Fusion360。チュートリアルとかもろくにやらずに、ほぼ勘と経験だけでつくったモデルがこちら。
SketchUP ってサーフェイスモデラーじゃないですか。しかも面は三角ポリゴンの集合で表現されてます。本当の意味での曲面はつくれません。円を描いてもそれは円ではなく細かい直線で分割された多角形。同じ大きさの円を描いても、分割位置の関係で必ず一致するとは限りません。気を使って座標軸に沿ってドラッグしても、強力な吸着で微妙に形状が変わってしまいます。一度つくってしまった穴とか曲面とかを修正変更するのはほぼ無理。閉じているはずの面が微小な部分でつながっていなくて、スライサに入れるとぶっ飛んじゃったりなんてことがままあります。
…あ、いかんいかん。SketchUP の悪口ばかり並べてしまいました。でもそんな具合で、しなくてもいい苦労を強いられるモデラーだなぁと今となっては思います。
話を戻します。
ベアリングとM12のナットを組み込んで完成。ベアリングは鋼板シールを外してアセトン洗浄後シリコンオイルを垂らしてみましたが、逆に抵抗になったので再度完全脱脂し CRC556 を吹いておきました。
ちなみにベアリングは一個375円でした。会社の購買経由なら100円しないのになぁなどとありがちな感想をいだきつつ、近所のホームセンターで購入。っていうか、ベアリングが単品販売されているってのがすごいです。誰がなんの目的で買うことを想定しているのでしょうか。
回転の維持時間は70秒くらい。700円くらいの安物で1分回らないらしいので、まずまずではないかと。発注者によると「友だちが持ってるやつにかなり似てる」とのことで大喜びしてました。ああ、持っててよかった3Dプリンタ。
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