油温計の製作(1)キッチン温度計分解
ボルティーに油温計が欲しくなりました。市販品ではヨシムラのデジタルテンプメータやデイトナのものがありますがなにしろ高額です。昔乗っていたGoose350にはヨシムラのデジテンを付けていましたが、外さずにそのまま売ってしまったのが今になって悔やまれます。
ひょんなことから、パール金属株式会社が発売していた「インフォ3・2・1 デジタルクッキングサーモ C-3966」というデジタル式のキッチン温度計を入手。本来は天ぷら油の温度管理などに使うもので、たぶん現行モデルではありません。これを使って油温計を自作することにしました。
ちなみにパール金属はアウトドア用品ブランド「CAPTAIN STAG」を展開している新潟三条の会社です。
まずは仕様と現物の確認から。箱に記載されていた仕様は以下のとおり。
表示範囲: -50℃~+300℃
検温部の使用温度範囲: -30℃~+250℃
精度: 0℃~+50℃ ±1℃ その他の範囲 ±2℃
使用電池: LR44(1個)
精度はいまいちですが、用途的には問題ないでしょう。
デジタル温度計は+100℃以上が測れるか否かによって価格帯がずいぶん変わります。100℃以下であれば(精度はともかくとして)百円ショップでも扱っていたりします。油温計として使用するにはせめて120℃までは測れないと辛いですね。
茶色の樹脂部のサイズは88L×30W×20D。表示部窓は49L×17W。ステンレスの検温棒はφ5×137L。真正面からは問題ないのですが、角度によって液晶がだいぶ見づらくなるところがあります。バックライトはありません。
裏面に「reina」の表記があります。どうやらreac JAPANのRJ018TH01のOEM品のようですね。
押しボタンスイッチは「ON/OFF」「HOLD」「MAX/MIN」「C/F」の4つ。「C/F」は摂氏華氏の切替。
付属のLR44に挟んであった絶縁フィルムを引き抜くと、「ON/OFF」ボタンを操作しなくても即座に電源ONしました。給電のON/OFFで操作できるということなのでナイス。しかし電源ONの状態でしばらくほったらかしにしてみると1時間弱で勝手にOFFしてしまいます。電池のもちをよくするためのオートパワーオフですね。電源ボタンを押しっぱなしにしてもみましたが変わりませんでした。
どんな仕様にするか考えます。
1)給電は車体の12Vからとる。
2)キーONで表示ON、キーOFFで表示OFF。現在の温度がわかればよいのでHOLDや最高最低スイッチ類も不要。
3)バックライト要。LEDで自作する。
4)検温部はドレンボルト以外のところに設置する。車体底面では干渉が不安だし、オイル交換のたびにセンサを外すのは嫌。
さて分解。裏面のネジ4本で簡単に殻が開きます。
液晶と制御基板というオーソドックスな構成。専用LSIが封印されています。他の実装部品は抵抗とコンデンサが少々。
液晶は裏側に反射板が貼り付けられているタイプなので、このままではバックライト化することはできません。うまく改造できるのでしょうか。
SP1~SP4の端子をショートすることで動作モードを変えられるような気がしますね。デフォルトで華氏表示とか。総当りでも16通りなので試してみる価値はあるかもしれません。
検温部はステンレスパイプに差し込まれているだけなのでズルっと抜けました。安価なサーミスタを想像していたのですが熱電対でしょうか?
肉眼では小さすぎてよくわからなかったのですが、写真にしてみると先端になにか素子があるのがわかりますね。熱電対ではなさそうです。
消費電流を計測します。
30年来使っているアナログテスタしかもっていないのでこれで測りましたが、動作中の消費電流は約0.035mAでした。
ひとまず今日はここまで。
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