交換と再生 - 3DSスライドパッド
- カテゴリ: 雑記
- 投稿日時: 2016/11/12(土) 21:59:06
息子からの修理依頼です。
3DSの左側にあるスライドパッド、いわゆるアナログスティックの動きが悪いのだそうで、斜め右上とかに入れづらいとのこと。自分でも操作してみましたがもともとの状態を知らないのでこれがいいのか悪いのか判断つきません。
とりあえずスライドパッドの交換方法をググると、この道の超定番のサイト 分解工房 さんを紹介されました。写真も鮮明で手順も分かりやすく説明されています。ふむふむなるほど。
あとは交換部品の入手方法だなぁとAMAZONを検索。
おお、130円で関東送料無料とな。でもポチって支払いの寸前まで行ったところでやめました。送料がかからないと思ったらそんなことはない。レビューを見ると、新品と謳っていながら中古品をつかまされたとか、なんだかひどいことばかり書いてある。こりゃあかんと。
更に調べていくとどうやら純正オプションの拡張スライドパッドに使われているものがそのまま流用できるらしいことがわかりまして、ヤフオクで中古良品をゲット。本体300円送料250円。トータルでは高いけど現物写真からは使用感も薄めでまあ確実っぼかったのでまあよいかなと。
双方をバラして特に迷うこともなくサクッと交換完了。いやぁ、インターネットって素晴らしいです。あ、ただし拡張スライドパッドの分解にはY字ドライバが必要ですね。前にDSの分解をした時に入手していたものがあったのでよかったです。
で、これだけだとブログ的につまらないので、壊れたスライドパッドの再生を試みます。というのも、部品どりとして入手した拡張スライドパッド、これはこれで欲しい使いたいと息子にせがまれたため。バラして再生できればそれはそれでよいし、どうせセンサ部分以外は捨てるつもりだったので失敗しても惜しくないかと。
こちらが3DSから取り出した具合の悪いスライドパッドのセンサ部分。外観は特に異常なしですが黒い粉を吹いてます。このAssyはピンを熱でカシメてあります。カシメ具合が絶妙。もちろん専用機でやってるんでしょうな。ハンダゴテで手作業とかだと絶対にできない仕上りです。まずはこのカシメ4箇所をカッターで切り飛ばします。
一番下の白い成形品をはずすと基板が現れます。同じように基板も外します。穴ピッチとピンのピッチ、穴径とピンの径が素晴らしい公差で出来てます。関心することしきり。うちが出してる成形屋もこのレベルの仕事ができればいいのにとボヤいてみるテスト実施中。
基板を外したところ。中は削れたプラスチック粉でいっぱいでした。これがジャリジャリの原因ですね。そもそも摩耗粉が出ない構造ならなおよかったけど、費用対効果的に辛いところでしょうね。
薄い基板はガラスエポキシでしょうか。パターンは簡単で、パッドと連動して動く電極がこのパターン上をショートしているのがわかります。電極の位置によって変化する抵抗値を読み取りA/D変換するのでしょうね。
それにしても汚い。
更に電極を外し、内部をクリーニングします。ちょっと強めに息を吹きかける程度では取れません。使い古しの歯ブラシと爪楊枝を駆使。
白い樹脂の板を外すとバネが現れます。密着巻きのコイルバネをループ状にしていて、スティックというかパッド側の円状の部分をすっぽりと囲んでいます。白い板とピンの生えているグレーの板の双方には突起があって、コイルばねはその突起の外側に配置されます。部品点数も少なくとても良くできたセンタリング機構ですね。
ここまで分解して内部を清掃し、表面が荒れているところはコンパウンドで磨く、摺動部にはシリコングリスをほんの少量塗布するなどしてから、分解と逆の手順で組み立てます。
再カシメはできないので瞬間接着剤で接着してしまいます。接着剤が変なところに回り込まないように注意。
センサと筐体の間に入っていたドーナッツ状の黒いシートは、表面がヤスリがけしたようにザラザラで抵抗になっているようでしたので、テフロンテープでつくったシートに置き換えました。写真は撮り忘れました。
すべてをもとに戻して作業終了。完全とは言えませんが、作業前と比べると明らかに操作感が良くなりました。もし金をかけずになんとかして修理したいというときには、状態にもよりますがこんなやり方が良いかもしれません。手間暇はかかりますが費用は発生しませんよ。
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コメント
4件のコメントがあります
治ったよと言ってゲームギアを手渡せば良かったのに!
いやぁさすがに持ってないですよ > ゲームギア
ありがとうございました
買い換えなくて済みました
micmicさん、お役に立ててよかったです