Ciclop/Horus(2) 廉価版Ciclopをつくる
- カテゴリ: 3Dスキャナ
- 投稿日時: 2017/05/06(土) 22:39:22
BQオリジナルの Ciclop は剛性も高く、デザインもかなり凝ったもので、なかなかカッコイイです。
ただ、一番引っかかったのがベアリングの存在。概要でも触れたとおり、比較的大型で高価な16014を使用します。ベアリングの値段って代理店とか流通量とかによってピンきりですが、こんな特殊品は市価でだいたい3000円位します。
もちろん、そこそこの重量物を安定して回転させるためにはベアリングはあったほうがよいです。ですがたかだかベアリングに3000円も出すのはどうしても納得行かず。
レーザーカッターがないと作れない部品の存在も気になります。ターンテーブルそのものとか、CowTech版のアームその他もろもろ。残念ながらレーザーカッターは持っていませんし、アクリルの板をきれいに手加工する自信もありません。
もろもろ考えて、入手性のいい材料を使ってとにかく安く上げることを目指しました。
主な材料はスチレンボードと3Dプリントパーツ、そしてタミヤのプラパイプ8mmです。ベースにMDFも使います。
ターンテーブル
まず問題のターンテーブル。ベアリングは使いません。というか、モーターの中に入っているベアリングだけでテーブルを支えます。
ものすごく重いものを偏荷重で載せない限り、モーターのベアリングだけで十分と思います。逆にいうと、そういうことをするのであれば、BQ-Ciclopのようにちゃんとベアリングで受ける構造にしたほうがよいです。
もともと黒い材料を使う場合は、表面がテカっているかどうかを確認したほうがよいです。できればつや消し黒でレーザーの赤い光を吸収するもののほうがよいです。
あ、スチレンボードといってますが、実際は KAPA-Plast というちょっと特殊な材料を使いました。ポリウレタンフォームを白いプラスチックの板で挟み込んだボードです。とある事情で個人的には入手性がいいんですよ。 テーブル裏側に3Dプリントでつくったフランジを接着して、モーター軸を直接挿してます。
あとからターンテーブルの回転中心がわからないと調整が辛いので、そこを踏まえてつくるといいでしょう。フランジにインローをつけるとか。上面にはセンターを示す針穴を開けてあります。
ポイントはできるだけ芯ずれと芯ブレがないようにすること。ちゃんとした数値で示せませんが、フレが±1mmあるときびしいと思いますよ。芯ブレ芯ずれの確認は、実際に通電してモーターでターンテーブルを回転させながら行うのが楽で確実ですね。
各構成要素の位置寸法
ターンテーブルの高さはモーターで決まりますので、このターンテーブル上面回転中心を基準にしてその他の要素の位置関係をモデリングします。
それでもよくわからないところがあったので
- 左右ラインレーザーの交点はターンテーブルの中心
- ラインレーザーの軌跡と腕は直角、中心線と腕の角度は60度
- カメラのレンズ中心とレーザーの中心は同じ高さ
という解釈をして、もろもろ数値を丸めることにしました。
モデリング
必要な構成要素であるWebカメラ、レーザーモジュール、ステッピングモータ、ターンテーブルを、先に割り出した寸法になるように配置し、それらをつなぐためのフレーム構造を検討し設計、モデリングします。
ステッピングモータ以外はどれもこれも大した重さではないこと、動作中に動くのはターンテーブルだけなので動荷重もかからないことから、だいぶへなちょこなものでも十分機能すると考えました。
レーザーモジュールは入手性のよい外径12mmのものを前提として、脚部からプラパイプの柱を立ち上げた上にカメラホルダ、カメラホルダから左右にプラパイプの腕を出す構造にしました。制御基板は本体に内蔵せず、床に直置きです。
ふにゃふにゃですが、こんなものでも一応目的は果たせるはずです。 レーザーモジュールのホルダは向きを少々調整できるようにしました。3Dプリントパーツの成形誤差をだいぶ吸収してくれます。
ターンテーブルと脚を繋いでいるプラパイプは、剛性不足から床面の影響をもろにうけてしなりがちです。これが曲がるとターンテーブルの回転軸とカメラの垂直中心がズレて面倒なことになります。
最終的には下に厚手のMDFを敷くことで対応することにしました。底板があると他にも色々いいことがあります。制御基板を固定するとか。
なお厚いMDFといっても、6mm厚なら200×400のものがダイソーで売ってるんですね。いい時代です。
実際は、モデリングしてプリントして組み立てて一発OKというわけにはいきません。PDCAサイクルを回してwww少しずつ改良していきました。
次回は光学系の調整方法について。
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