最終更新: 2020/11/23(Mon)13:57

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1/24 ダンバイン製作記 (10) - 再始動

だいぶ間が空いてしまいました。ええ大丈夫、生きてますよ。
前回のエントリ以後、2回ほど海外出張に行きました。4月の頭にポルトガル、6月の頭にメキシコです。都度ツイッターで発信しておりましたが、これといって特筆することもなかったです。メキシコでテオティワカンの遺跡に行ったくらいかな。
ツイッター便利ですわ。わざわざブログのエントリ起こすまでもない案件はもっぱらツイッター。なのでブログの更新頻度はダダ下がりです。

さて、3月中旬ごろのこと。いつものようにツイッターを眺めていると、3DCADでモデリング中のダンバインの頭が流れてきました。作者は @yasimov さん。 CAD は OSD かな。ひと目見て、なんというかビリビリと衝撃が走りました。おー、3DCADでオーラバトラー作れるんだ、と。

例の 1/24 ダンバインのリベンジ、手が止まってしまって久しいわけですが、切った貼ったのやりすぎでどうにもシンメトリが出せなくなってしまったこと、石膏粘土で作ったパーツの処理に困っていたことに加えて、目標としていた地元の展示会の開催が流れてしまったことなどが重なって、もう2年近くもほったらかしになってしまってました。

この2年の間に、3D プリンタをつくりました。大して高精度ではないもののそれなりの出力はできます。
Fusion360 もあります。従来型のソリッドだけでなくサーフェスもスカルプトもできる高機能な 3DCAD です。デジタルでつくればシンメトリは簡単に出せるはず。
実際に 3DCAD でモデリングしている人がいるのだから、頑張れば自分にもできるかもしれません。
タコメータの完成以降、次のネタに困っていた自分にとって、これはまたとないうってつけの案件。ということで、3D プリンタでダンバインをつくることにしました。もはやプラモデルの制作記でもなんでもありません。ははっ。

実物の立体として完成させることを目標とします。PC の画面の中だけで完結したくありません。
3D プリンタで出力したものはあくまで素材という位置づけです。なので CAD ではあまり細かいところまで作り込みしません。CAD でつくるのが難しいところは無理にモデリングせず、出力品を加工することにします。

生物的な曲面で構成されているオーラバトラーを CAD でつくるとなると、真っ先に思い浮かぶのはスカルプトです。スカルプトは Fusion360 の機能のひとつで、粘土を伸ばしたり縮めたりする要領でモデリングしていきます。車のボディとかの超絶な作例が Web で見られます。すごいです。が、これが難しい。単に修行不足なのですが思ったような形状にできません。なのでサーフェスを使うことにしました。

サーフェス (パッチ) は面を貼っていくモデリング手法。面で囲まれた閉じたサーフェスはソリッドに変換できます。曲面はロフトやスイープで作っていきます。
SketchUP もサーフェスモデラーでしたが、勝手はまるで違います。断然 Fusion360 のほうが使いやすい。
以下ツイッターに上げたキャプチャとともに時系列に沿って。

★頭
3月21日開始。つくりかけのプラモデルをノギスで測りスケッチを起こしてサーフェス化し、ソリッドにしたのがこれ。細かい調整がまだまだですが、やれるかやれないかっていう点ではいけそうな感触。
目は縁をフィレットしただけですが、後でドーム状になるように変えました。

★上半身
4日後の3月25日。えいやあで上半身が形になってきました。
肩のパーツは球に板を貼り付ける要領でモデリングしましたが、このときつくったヒートプレス版と同じようなところに面の継ぎ目のラインが入ったりして、ああ、ツールは違えど同じなんだなぁなどと感動することしばし。まあ実際にやったことがないとこの想いは伝わらないですかね。
横っ腹のラインが近年の一般的解釈とだいぶ違いますが、35年前の当時はこれでいいと思っとりましたのでそのまま。

★全身
4月1日。脚はサーフェスですが腰はスカルプトで作成。ここだけはどうしようもありませんでした、ハイ。自己交差との戦いで何度もやり直してますがいまいち納得行く出来栄えではありませぬ。
頭以外はざっくりとしてます。

この後、前述の通り海外出張でしばしお休み。とはいえ、オランダスキポール空港でのトランジット待ちのときに時間が有り余ってたので、持参した会社のパソコンでもぼちぼちと作業してました。クラウドにデータがあるって便利ですわホント。4月7日に帰国。

★ディテールアップ+オーラコンバータ
4月15日。オーラコンバータができてますね。ラグビーボールを半割にしたようなディテールも追加してます。オーラコンバータはもっと蟹の甲羅のような丸っこい形にする予定でしたが、これまた力量不足のため直線的な形状に。いっそのことプラモデルのものを流用しても良かったかもしれません。
この後で肩の位置を上に移動。

★背中
4月26日。翅の作り込み。翅の製作方法は温めているアイデアがあります。実際につくるときに解説予定。
近年の翅は縁がギザギザぼろぼろにするのが流行ってますが、トンボっぽい形状が好みです。ただしトンボの翅だと翅脈の入り方が細かすぎるので、カブトムシとかカガンボとかハチとか、そんなあたりの画像を参考にモデリングしました。スケッチで曲線を描いておいてパイプコマンドで押し出しです。
翅がつくととたんに昆虫っぽい感じになりますね。背中の解釈はこのときのまんまです。

ここまででいわゆるモナカの皮部分がだいたいできあがりました。中身は空っぽ。
最初から素立ちの固定モデルにするつもりだったので、この状態でパーツの配置をちょこちょこ調整して一番見栄えのいい状態にし、それに合わせて内部フレームを作成。内部フレームは単純な六角柱で、皮とフレームを一体化して出力し、パーツとパーツはアルミの針金で連結するようにしました。
実はこの皮と中身を一体化してパーツにする方法がわからず。すべての部品はコンポーネントとして別ファイル化してますが、空中に浮いているコンポーネント同士を組み立てるためのフレームを、コンポーネントに反映する方法がいまいちわかりません。うーん、説明が難しいな。ひとまず強引な方法でコンポーネントにしてしまいました。

★頭3Dプリント ★胸3Dプリント
4月28日出力開始。平日の夜間は音の関係で家族に迷惑がかかるので、出力はもっぱら土日の日中になります。なのでなかなか捗りません。
サポートが多めなのは形状からして仕方ないところ。いったん出力してみて、変形や面荒れがひどい場合は向きを変えて再スライスしたりしてます。パーツがあらかた揃ったのは5月28日でした。ゴールデンウィークをはさんでちょっど一ヶ月ですね。

★仮組み ★仮組み ★仮組み ★仮組み
剣と翅など一部パーツがまだですが、アルミ線を通して組み上げてみました。写真が不鮮明なのでそこそこきれいに見えますね。実際は積層痕がけっこう目立ちます。

で、二回目のメキシコ出張へ。出国6月3日、帰国は6月14日。
続きます。

コメント

3件のコメントがあります

スゲー!
プラモのフルスクラッチが、3Dプリンターで出来る時代になったんですね。

まだキット化されていないネタをいち早く立体化、とかが容易になりそうな。
それだけで3Dプリンター欲しくなります。

実際にはモデリングに時間が掛って、最初からプラ板とパテで作った方が早い、とかいうオチがつきそうな気もしますが、夢がありますわ。

  • MAHARU

MAHARUさんこんにちは。

昔ながらの手法でフルスクラッチとかすると、それなりの技量がないといいものはつくれませんが、3Dプリンタを特殊工具のひとつとして使えばだいぶ楽ができるという話なわけです。

3Dプリンタ、楽しいですよ。いまなら DLP (光造形) 式が6万円位で手に入ります。おひとついかがですか?

  • kyu

以前、バイクのパーツを作るのに良いかもしれないと思ってちょっとだけ3Dプリンターの事も調べたのですが、その時は手頃な価格の物はまだまだ安かろう悪かろうの印象があったので手を出すのを止めました。

ちょっと前に世間で騒がれて流行ったお陰か、今はそれなりの物が安く手に入る様になったのですね。
また欲しくなったので、改めてググってみますw

  • MAHARU

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