Ciclop/Horus(3) 光学系の調整と配線
- カテゴリ: 3Dスキャナ
- 投稿日時: 2017/05/07(日) 22:52:18
前回の続きです。まずは光学系の調整方法について。
ラインレーザーモジュール
ラインレーザーモジュールに必要なスペックは概要で書いたとおりです。品物自体は AliExpress で非常に安価で売られています。
キッチン温度計のときと同様、どのショップのものも同じに見えます。
その昔イタイ輩が悪さをしたため、レーザーポインタには出力とか使用できる電池の種類とか様々な国内規制があります。輸入品を販売する場合でも同様。でも機器組込用レーザーモジュールはその規制対象外のようです。
安く簡単に入手できるものの中では光学ドライブのピックアップについているのが最強のようで、これを取り出して改造する例も多々見受けられます。
3Dスキャナに使うラインレーザーモジュールも高出力品のほうがいいのでしょうか。答えはNO。高出力は不要です。必要なのはできるだけ細いライン幅と、左右の輝度を揃えること。それだけです。
まずはレンズ類を外した状態で選別します。選別するので、購入個数は最低でも3ケ以上が良いですね。一個200円しません。 クラス1とはいえ光を直接見るのは抵抗があります。白い紙に照射して光の具合を見定めます。
肉眼で見てもいまいちわかりませんが、デジカメで写真に撮ると違いがわかりやすいです。この写真では1ケだけ通電していますが、複数個を同じ電源に並列に接続して同時に点灯照射して比べます。
かなり太めのラインが出ます。その輝度と大きさを比べて、ほぼ同じように光っている2ケを選び出します。少々暗くてもいいので揃っていることが重要です。
あとでラインの向きがわかるようにマーキングしておきます。 選んだモジュールに凸レンズを取り付けてスポット光にします。
凸レンズは黒い筒に内蔵。バネで黒い筒が突っ張るようになっており、黒い筒を回すとレンズが前後して焦点を合わせる仕組みです。
ターンテーブルの回転中心でスポットの直径が最小になるようにします。なので、175×√3=約303mm の位置に焦点が合うように調整します。
この写真の場合、左と右のモジュールでは左のほうが明るいですよね。これではダメです。
なぜ揃える必要があるのかというと、Horus には左右差を吸収するすべがないからです。Horus で暗い方に露出を合わせると、明るい方はノイズだらけになります。明るい方に合わせると、暗い方は取りこぼしが増えます。なのでこの段階でできるだけ揃えておかなければなりません。 焦点が合ったらシリンドリカルレンズを取り付けて光を線状にします。大した差はないとは思いますが、集光する前の太いラインと向きを合わせます。
凸レンズを保持している黒い筒、シリンドリカルレンズの外側のローレット付きの輪、ともにとても緩みやすいので、ホットボンドや木工用接着剤などで緩みどめをしておくと良いでしょう。
Webカメラ C270
レーザーと同様にターンテーブルの回転中心にピントが合うようにします。350-36.6=313mmの位置ですね。これも実機搭載状態でなくてもできます。
Horus のモニタ画面よりもデジタルズームで画像が拡大できるLogicool純正アプリの方が画面が見やすいです。
調整方法について参考にさせていただいたのはこちらのサイト。
ネジ止めされているカバーを開けて中の光学系をいじることで焦点の調整をします。ホットメルトかエポキシかなにかの接着剤をチョン付で軽く固定してありますが、接着剤はカッターや精密ドライバなどでポロリと簡単に外せます。
配線接続
Arduino UNO に zum scan shield を取り付けて各部配線を行います。
とはいっても、基板に配線するのはステッピングモータとラインレーザーモジュールだけ。Webカメラは普通にPCにつなぎます。
zum scan shield の回路図はここにありました。シルクに極性が書いてなかったら見てみるといいでしょう。
ちなみに BQ と BQ Labs の関係についてはよくわかりません。
ラインレーザーモジュールはここに。カメラ側からターンテーブルを見たときに左にあるのが左でL1、右にあるのが右でL2です。
ほんとにこれだけです。
zum scan shield には、もう一軸分のステッピングモータの口をはじめとして、将来の増設で役に立ちそうなコネクタが幾つか装備されています。まあ当分使うことはないと思いますがね。AliExpress で売っている互換品の中にはそもそも実装されていないものもあったりします。
ハードウェアはこれで完成。次回は Horus をインストール、調整します。ここからが本番です。
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