舵角不足の傾向と対策
- カテゴリ: XMODS EVO TRUCK > ステアリング周り
- 投稿日時: 2008/09/12(金) 00:45:37
オフロードアップグレードを組み込むと、異様に舵角が小さくなる現象について調べました。
結論から言うと、原因はユニバーサルジョイントの偏角の限界でした。
以降、R/C用語はいまいち詳しくないので、本業である機械設計の立場で単語を選びます。わかりにくくてすみません。
ステアリングを切る方向(上から見て回転方向)と、サスペンションが上下に動くための方向に対して自由度が必要で、なおかつ回転力を伝達するために、四駆車のフロント周りには特殊な駆動軸が必要です。機構として一般的なのが、自在継手(ユニバーサルジョイント)です。自在継手そのものについては、Wikipediaあたりにも説明がありますので詳細は省きます。
XMODS EVOでは、球状になった両端にピンがついている軸(いわゆるドッグボーン)と、その球状の部分が適度な隙間をもってはまり込むカップ状の端部をもつ軸によって、自在継手は構成されています。
が、いくら偏角が許容できる自在継手だからといっても、もちろん限界はあるわけです。
EVOトラックにオフロードアップグレードを組み込んだ場合、デフギヤのある駆動軸と、車輪のついている従動軸とは、無条件に段違いになります。段違いの量は4mmくらいでしょうか。
カップ部とドッグボーンの位置を見るとわかりますが、実はこれだけで偏角の許容値をほぼ使い切ってしまっています。
ステアを切ると、上から見て回転方向にナックルが回転移動します。トレールを稼ぐため、タイヤの駆動軸はステアの回転軸より後方に位置していますから、右にステアを切ると右のナックル内のカップが、左に切ると左のカップが車体内側に入り込んできます。
しかしながら、前述のとおり偏角の許容値を超えてしまいますので、動きません。
タイロッドをはずしてナックルを動かしてみるとよくわかりますが、逆ハの字(トーイン)にはなりますがハの字(トーアウト)にはほとんど動きません。これらはすべてユニバーサルジョイントの限界なのだとわかります。
さて対策です。
まず思いついたのが、ユニバーサルジョイントのカップを削り込んでもっと動作範囲を広げるというもの。しかし、強度面でヤバそうなのは明らかなのでボツ。
トレールを小さくするテもありますが、加工は非常に難しいと思われるためこれも×。
で、そもそもの段違い量を減らす方向にすることにしました。
オフロードアップグレードキットで過剰に下げられたナックルを、ちょっとだけ上げてあげるのです。
方法は簡単で、アッパーアームとシャーシの間にスペーサを挟んで、全体を上に戻します。
シャーシ下面と路面のクリアランスは減りますが、サスペンションのストロークは変わりません。
例によって適当なジャンク部材をあさり、大量に余っている旧XMODSの2mm厚プラベアリングを挟みました。
改造前後の比較です。写真がへたくそでいまいちわかりにくいですが、だいぶ動くようになりました。
…で、新たな問題発生。
今回の改造だけでなく、ビッグフット化の影響もあって、ステア時にタイヤと電池ボックスが干渉することがわかりました。
電池ボックスを削るか移設するか、フロント周りを前方へ移設するかってとこでしょうかね。
コメント
2件のコメントがあります
う~ん、とっても参考になります。
僕は原因がイマイチわからないまま
サス無し(スプリングを取って固定)にして削れるところは削りまくりで舵角アップしてました。
電池ボックスは基板のカバーの上に両面テープとビス止めしてました。
もう1台欲しくなってきます。
そうですか。削りまくりましたか。
カップを薄くするのが効果絶大だとは思うんですが、力のかかるところなんで躊躇してしまいました。で、しばらく考え込んでたというわけです。