3Dプリンタをつくる(4)
- カテゴリ: 3Dプリンタ
- 投稿日時: 2017/09/04(月) 22:16:51
前回で一応の完成を見た自作3Dプリンタ、ひとまずテストプリントをしてみました。
Test your 3D printer! by ctrlV という、この道では有名なテストパターンです。ブリッジや逆テーパー、スリット、細かい文字、球体、四角錐などの、なかなか難易度の高いパターンが一堂に会したモデルです。
前の Prusa Mendel で出力した結果がこちら。
で、今回の自作機での出力結果がこちら。 出力途中で止まってました。ノズルもヒーテッドベッドも温度維持したまま。Printrun の画面にエラーなし、原因不明。PCの問題か?
それはそれとして、重大問題が発覚。
周期的にムラが出る場合、疑うべきは回転モノ。ポイントはいろいろあります。ネジのピッチ誤差、偏芯、などなど。
縞のピッチを測ってみると1.2mm強。M8ネジのピッチは1.25mm、つまりZ送りネジの一回転ごとに出ているというわけです。
このネジ棒は Prusa Mendel からの流用品。なのでピッチ誤差の線はないのかなと。いままではあまり気にならなかったので、ネジ棒自体というよりはその取り付け方に原因がありそうです。
印刷せずに Gコードを打って単純に上下動させてみると、棒の端を持って縄跳びを振り回しているかのように、ネジ棒の先端がフレています。特に左側がひどい。
Z軸が下の方にある時が顕著で、上昇端に近づくにつれて先端のフレは小さくなっていきます。
ナットとモータ軸の偏芯は、モータ取付ネジのバカ穴で組立時に出来る限り調整しています。
となるとこれはカップリングが怪しい。
これはこれでよいものなんですよホントは。中央部に入ったバネ状スリットのおかげで、入力軸と出力軸の偏角を吸収してくれます。偏芯の許容差はあまり大きくありません。
軸との締結はクランピングタイプというもの。ネジを締めるとガワが変形して軸を掴みます。対丸軸なら把持力も強力で、セットスクリューのように軸に傷もつきません。
ちょっと考えがあってリジッドカップリングを買ってみました。
が、
取り付けで挫折しました。どうやっても偏角偏芯なしでモータとネジ棒を締結することができない。
モータ軸とカップリングの嵌め合いはとってもいい感じで、ゼロから僅かな隙間ばめ。セットスクリューを締めてもフレはほとんどありません。でもネジ棒はφ8より少々細め、カップリングの穴は少々太め。カップリングにネジ棒を差し込むとガタガタで、セットスクリューを締めると相当量偏芯しているのがわかります。偏芯はともかくとしても、偏角を組み立てで調整するのは無理でした。小一時間頑張りましたが諦めました。
元のカップリングに戻して、できるだけ偏芯偏角のないように様子を見ながら注意深くネジ締め。
ただ、ネジ棒は少々細めなので、クランピングボルトを締めるとどうしても偏芯してしまいます。差し込み量を変えたり銅板のシムを入れたりして一番マシな状態にもっていきます。
Xモータのブラケットと干渉するのでZ方向の造形エリアが減ってしまいますが致し方なし。
カップリング側にもベアリングがあったほうが良いです。そしてホントはカップリングに軸方向の力がかからないようにするのがセオリーです。今はまだやりませんがいつかやりましょう。どうやってやるかは次の課題。
カップリングの取り付け調整と軸端のベアリングでどう変わったのか。印刷結果がこちらです。
どうでしょう。だいぶましになったと思いませんか?
いじらなければならない場所は合っているようです。
もう一度 Test your 3D printer! を出力。今度は完走しました。
文字の可読性は前より圧倒的に上がっています。
四角錐や三角錐の頂点も申し分なし。
球や曲面は、細かく分割された三角ポリゴン- 平面の集まりなわけですが、その平面と平面のつなぎ目の角がうっすらと判別できます。つまりXY平面の再現度が上がっています。前の Prusa Mendel ではだらーっとつながっていて分かりませんでした。
ただこのあたりは Cura と Slic3r の違いかもしれません。ホントは Slic3r でスライスしたものをプリントしてみるべきですね。環境を捨ててしまったのでやりませんが。
ちなみにこのテストパターン、0.2mmノズルで0.1mmピッチだと4時間17分かかるんですよ。時間かかりすぎです。ちょっといじって結果を見てまたいじってということができません。いややればできるんですが、気合が持続しませんwww
GEN6 にセットして使います。マシン左側をなるべく壁に寄せたかったというわけです。
ってことで、このプロジェクトはいったん完了です。 Tweet
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