時計をつくる
- カテゴリ: HA36Sアルト
- 投稿日時: 2018/11/25(日) 16:53:00
今回は小ネタです。
ダッシュボードに時計がついているクルマ、最近とんと見かけなくなりました。コストダウンのためとか、オーディオなりナビなりに表示されるのでわざわざ時計単体を装備する必要がないとか言われてます。確かにそのとおりで、オーディオを取り付けて一番最初にやったのが、ラジオの周波数合わせと、常に現在時刻を表示させることでした。時計表示の手順は取扱説明書の一番最初に書いてあります。皆が知りたい情報ナンバーワンなんでしょう。
さて、アルパインのスピーカーを取り付けたのを機に、iPhone の接続を AUX から USB に変え、いわゆる iPod モードで運用するようになりました。接続もシンプルになりイコライザも iPhone から調整できるようになってとても便利に使っていますが、一つだけ問題が。それが時計です。
iPod モードのとき、MVH-3300 のディスプレイには現在再生中の曲名が表示されます。曲名は iPhone を見ればいいのでディスプレイには時計を表示してほしいんですがやり方がわかりません。iPhone の時計は小さすぎて、運転しながら確認することは不可能です。
とてつもなく不便です。アルトに時計をつけましょう。
市販品を買えば一発解決ですよ。例えばこれ。
実際、うちのメイン車にはまさにこれをつけてます。夏の暑さで液晶が真っ黒になったりはしますがその他は悪くはないです。ただ不便なのがバックライト。ボタンを押したときだけ数秒点灯するもので、夜間はボタンを探さないと時間確認ができません。面倒じゃないですか。
とはいっても、内蔵しているボタン電池が唯一のエネルギー源なので、常時点灯にはできません。すぐに電池が終わっちゃいます。
ってことで、今回製作する時計の仕様が決まりました。(自作、改造する前提で話が進んでますwww)
1. とにかく安く上げる。時計としての精度は目をつむる
2. 常時バックライト点灯。電源は車体から取る
3. デジタル時計とする。アナログ時計は過大に設置面積が必要
Arduino に RTC (リアルタイムクロック) とキャラクタ LCD をつけてゴニョゴニョする豪華仕様とか、フロントガラスに投影する HUD (ヘッドアップディスプレイ ) 式とかも頭をよぎりましたが、今回はとにかく安く仕上げたいので、これらはまたの機会にとっておきましょう。
こんなデフレ野郎の希望を叶えてくれる素敵なお店といえばセリアです。百均です。最近はあまり驚くこともなくなりましたが、百均の電気モノにはいつもびっくりさせられます。え、これが百円で売ってるの? てな感じ。もちろんデジタル時計もありました。
できるだけシンプルなものを選びました。このモデル、水色、ピンク、白、黒と色は何種類かあります。どっちに転んでもいいように無難な白を選択。四隅のネジを外すと裏蓋が取れて基板が現れます。この手のモノにしては珍しく、ネジがたくさん使われてますね。どんなに小さくてもネジはネジ。組立工数もかかるし部品代もバカにならないはず。
基板を外すとピンクのゼブラゴムが出てきました。ゼブラゴムについては油温計のエントリを参照のこと。
電池ホルダを兼ねた基板のベース、一見どうということのない作りですが、ペラペラの基板がたわまずにしっかりとゼブラゴムに接触するよう、補強やらネジの配置やら試行錯誤した跡が見て取れます。はめ込みでなくネジ固定にしたのもこのあたりが理由かも。何気に苦労してますよこれ。
偏光板を傷つけないように液晶裏側の反射板を剥がして透過型に改造します。このエントリとやってることは全く同じ。8年前からあまり進歩してない自分がここにいますwww
導光板を作ります。あまり深いことを考えずに透明樹脂板を切り出します。えーっと、このポリスチレンでできたクリア小物入れはなんのときに買ったんだっけかな。あ、そうそう。タコメーターの針を削り出したときの残り物ですね。
厚みは 2mm 、長手方向は液晶より +5mm 大きく、短手方向は液晶の表示部と同じ 23mm です。コバ面は #1500 までペーパー処理後、コンパウンドをかけてピカピカに磨いておきます。
使用するLEDはアンバーの砲弾型 3mm。部品箱の中から見つけたものですが、これは多分ラジカンランチア・ストラトスのライトポッドの中の LED ですたぶん。導光板の写真を撮り忘れたので図で説明します。
まず長手方向の端に凹型のくぼみをつけます。LED はこのくぼみにピッタリ合うように整形します。どちらも鉄ヤスリを使用しできる範囲でつるピカに。
板の表側はつるつるのまま、裏側はペーパー #600 で均一に荒らしておきます。この荒れが光を拡散するわけです。
LED を凹に埋め込み、UV レジンで隙間を埋めて固定しアルミテープを巻いて遮光。
裏側には厚手で表面がザラザラの白い紙、表にはトレーシングペーパーを貼ります。貼り付けは極細に切った両面テープを使用。ちなみにザラザラの白い紙は、アルミテープの剥離紙の裏側を使用しました。
最後にコバ面と裏側全面にアルミテープを貼り、露出している LED の根本を適当な塗料で塗って光漏れを遮断しました。
表裏の紙を固定する前、発光テストの様子です。12V で 30mA 流してます。ちなみにこれはトライ2です。トライ1については後述。
液晶、導光板、ゼブラゴム、基板をそれぞれ採寸してモデリングし、基板と導光板の間に入る、基板を固定するための部品の厚みを決定します。
機能部品の配置が決まったら、意匠的なところをあーでもないこーでもないとこねくり回します。こんなときこそ 3DCAD 。やっぱり便利ですわ。
設計ができたらあとは 3D プリンタに任せて成形し組み立て。車に取り付けて日の入り直後に撮影したのがこれ。
ええ、失敗です。LED を横からではなく背面から照射して、アルミテープ製の鏡で45度向きを変えて導光板に入れたのが敗因。
外観をいじらず、極力元の部品を使ってやろうというコンセプトでしたが、光量が足りなくてムラがひどく、更に光漏れでケースがオレンジ色に染まってしまったのでボツ。
設計をやりなおし。金属パーツも使うことにしました。
箱に四角い穴を開けて液晶をセットすると、どうしてもベゼルが目立つし同じような面構えになってつまらないので、上下に配置したフレームを左右の長ネジで締め上げるようにしてみました。
加えてミニマム構成にしたかったので、背面カバーとかなしで基板むき出し仕様です。
左右にある円柱形の部品はアルミパイプ外径 4mm 肉厚 0.5mm を使用。トイラジでカラーやスペーサをつくるために持っていたものの流用。
何かに似てるなぁと思ったら、単車のオイルクーラーとかラジエータとかかなと。
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