最終更新: 2018/11/25(Sun)16:53

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社外スピーカーをつける

しばらくダンバインの話題ばかり続いてましたのでたまにはメガネアルトの記事などを。

職場の喫煙所で雑談しているときに、スピーカーを換えたいなぁというようなことを話していたところ、あ、うちに余ってるのがあるから持ってきますよ、チョー古いけど。などとありがたい提案をいただきました。断る理由がありません。


★ALPINE STE-174R
アルパインの STE-174R です。コアキシャル・3ウェイ。ロハってわけにもいかないのでいくらか払いますよって言ったけど、提供主は頑として受け取らず。なので缶コーヒー一本と交換しました。ありがたや。

お恥ずかしながらオーディオとかカーオーディオとか、全く知見がありません。スピーカーもらったはいいけど、どうやって取り付けるのかさっぱりわかりません。わからないことは Google 先生に聞きます。

クルマのスピーカーを交換取り付けする場合、スピーカーはドアの板金に直接つけないのだそうです。取り付け穴ピッチがクルマによって違うのだから当たり前ですね。
新品の社外スピーカーには、穴ピッチの違いを吸収するためのメーカー別アダプタが同梱されています。このアダプタのことをインナーバッフルといいます。対応車種でない場合は、別途インナーバッフルを調達する必要があります。

で、今回もらったスピーカーにはインナーバッフルがついてませんでしたので、買うかつくるかしないとなりません。市販品はざっくりと2~3000円くらいなので、迷うことなく自作に決定。

インナーバッフルは単純なスペーサーというわけではなく、形状や材質によって音質に影響を及ぼすらしいです。スピーカーの鳴りで周囲の板金がビビらないように、そこそこの強度が必要。硬いほうがいい、柔らかいほうがいいなど情報は交錯しています。オーディオって感性によるところが大きいので難しいんですね。

一般的なところだと、MDF または硬めの木材を使うことが多いみたいです。ジグソーやトリマーなどの木工用工具を駆使してドーナッツ状の部品を切り出し、防水処理のためウレタン塗装して仕上げるという例が多数見つかります。スピーカーの取り付け部は鬼目ナットを使うのだとか。

木材加工用のツールは丸ノコと手ノコくらいしか持っていないので、例によって 3D プリンタでインナーバッフルを製作することに。重いほうがいいのであれば充填率を上げた ABS でよいはず。
ホームセンターなどで売っている MDF は密度 0.35~0.8g/cm^3、対する ABS は 1.05~1.07g/cm^3。形状が同じなら ABS のほうが重いわけです。市販のプラ製インナーバッフルは射出成形だろうから板厚は薄いんだろうなと。だからプラはビビるなんていわれてるんじゃないかと思うわけです。

形状もいろいろで、単純なドーナッツ型以外にも、足元に設置されるスピーカーをドライバー側に向けるためにスラントさせるとか、コーンの動きを阻害しないように背面側をテーパー状に広げるとか、それこそ様々なノウハウがあるようです。いやー難しいなぁ。
このノウハウをもとにワンオフでつくって商売しているショップも多数あるわけで、寸法がわかる図面を公開しているところは少ないです。まあクルマもスピーカーもとてつもない種類があるので、ピンポイントな図面なんて見つかるはずもないんですが。

みんカラで探してみると、自作インナーバッフルの情報は多数見つかりますが、ほとんどが現物を型紙に写し取って製作されており、具体的な寸法のわかるものは少ないです。ということはつまり、市販品を買うにしても自作するにしても、一度内張りを剥がして取り合いを測定してみないことには始まらないということです。

★ネジ位置
まずは取り付け部の寸法測定するためにドアの内張りを外します。
ネジは二ヶ所。ドアを閉める時の取っ手の底とドアを開けるときの取っ手のところ。どちらも見えるところにあるので簡単です。

★内張りの外し方
写真で手をかけているところをきっかけにして引っ張ると、内張りはバキバキと外れます。前に購入した内張り剥がしやらなんやらいろいろ用意して挑みましたが、素手であっけないくらい簡単に外れて拍子抜け。

★内張り取り外し完了
パワーウインドやドアロックなどのコネクタを外すと内張りが取れます。防水の透明ポリシートはブチルゴム系の粘着剤で貼り付けられています。デッドニングとか凝ったことはしないので触らず剥がさず。

★純正スピーカー
純正スピーカーはネジ3本留め。緑色のアンカーでドア板金に固定されています。ネジを外してアンカーも取り去ります。近年のスズキ車はみなこの方式の模様。

★純正スピーカーの端子
純正スピーカーの端子部分。極性が書いてあるので控えておきます。

★測定結果
測定しました。穴の直径はφ139、取り付け穴はピッチ円直径φ144、アンカーが入っていた穴はφ7 の3等配でした。
金尺測定なのでそれなりに誤差はあります。あしからず。

★マグネット部の張り出し
取り外したスピーカーを測ります。取付面より後ろの張り出しは 27mm。この寸法を守れば、下がってきた窓ガラスとスピーカーのおしりが干渉することはありません。
ホントは窓を開けた状態で内張りを外して、取付面から窓ガラスまでの距離を測るべきでした。コネクタを抜いてしまったので窓は開けられず。

★内張りの裏側
内張りの裏側、スピーカーが位置する場所にはリブがあります。内張り取付面ドア板金からの距離 29mm。適度に隙間をとって隙間テープなどで塞げばよいでしょう。

★Fusion360でモデリング
測定データをもとにモデリング。最終的にインナーバッフルは外径φ168、厚さ 27mm としました。

★プリント中
プリント。当初は充填率を 100% 近くにする予定でしたが、あまりにも時間がかかりすぎるため 30% で妥協。それでも一個あたり 17.5 時間もかかりました。んー、ノズル径 0.2 はきついなぁ。
土曜日の早朝から内装剥がしをはじめて午前中にはプリント開始しましたが、一個目ができたのが深夜1時。それから2個目をセットして就寝。

★インナーバッフル
翌日曜日。インナーバッフルを取り付けます。スピーカーを固定する部分は裏側に六角ナットを埋め込んであります。

★インナーバッフル取付
ボルトナットでドアの板金に固定。キャップボルト M5×30 を使用しました。

★スピーカーの端子確認
これから取り付けるアルパインのスピーカーの端子には極性が書いてありません。ちょっと悩みましたが、ツイーターに行っている配線に電解コンデンサが割り込ませてあったので、そこで判断しました。写真左がマイナス、右がプラスですね。

★スピーカー取付
配線接続してスピーカー取り付け。ツイーターが上にくるようにします。コーンの外側の動かないところにダイソーの隙間テープを貼っておきます。

日没直後にもう一つのインナーバッフルが出来上がったので、電光石火の速さで交換。あとは内張りを元通りに戻せばスピーカーの取り付けは完了。別段難しいことはありませんでした。

★パワーウインドSW
スピーカーの交換はこれで終わりですが、もうひとつ重要な作業が残ってます。パワーウインドのコネクタを外したので、パワーウインドシステムのリセットをする必要があります。これをやらないと運転席側から助手席側の窓を開け閉めできませんし、全開全閉以外の位置で止めることもできません。挟み込み防止の制御のため全閉位置を記憶しているのだそうで、コネクタを外すと位置を忘れてしまうんですね。

結構ハマる人が多いらしく、知恵袋とかみんカラとかでやり方が公開されていました。マニュアルを引用しときます。

パワーウインドシステム初期設定

  1. イグニッションがOFF状態で、“P/W T”及び“P/W”ヒューズを外し、パワーウインドメインSWの運転席SW位置をUPで約15秒保持する。(パワーウインドメインSWのコンデンサ内部の電荷を放電させる。)
  2. “P/W T”及び“P/W”ヒューズを接続する。
  3. イグニッションをONにして、運転席のフロントドアウインドガラスを全開にする。
  4. パワーウインドメインSW の運転席SW 位置をオートUPで保持して、ドアガラスを閉じ切り、約2 秒間運転席SWを保持する。
  5. パワーウインドメインSW をオートDOWN/ オートUPさせ、ドアガラスが全開/ 全閉することを確認する。オートDOWN/ オートUPしない場合は、手順1) からやり直す。
  6. 挟込み防止機能点検を行う。

ヒューズボックスを探すのが地味に大変でした。グローブボックスを外した奥にあります。クルマ自体の取説をはじめて読みましたwww

さあ試聴です。

うーん、確かに良くはなってるけどそんな劇的に変化したってこともないなぁ。こんなものなのか?

音源は iPhone 。先日、お気に入りの Spigen バンパーを破損してしまったので、安物のポリカ/TPUハイブリッドバンパーに換えてます。おかげで今まで常用していた Lightning - 30pin 変換アダプタが使えなくなってしまいました。ってことはつまりピンジャック出力の分岐ケーブルが使えないってことです。試聴はバンパーを外して今までどおりの接続で確認しました。

そこでふと思い出したのが、パイオニアの MVH-3300 は専用アプリを使えばイコライザの設定ができるらしいということ。専用アプリは ARC (アドバンスドリモートコントロール) といいます。

一度使ってみたけれど、斬新な UI に馴染めずお蔵入りになってました。その時は AUX 入力しか試していなかったのでイコライザはいじってません。

イコライザを設定するために普通の Lightning - USB ケーブルで MVH-3300 と iPhone を接続。

あれ、AUX つながなくても音が出るじゃん。

思い込みというのは恐ろしいものですね。DAC が入っているケーブルでないと音が出ないはずと思ってました。どうやら MVH-3300 に DAC が内蔵されている模様。

イコライザをいじってラウドネスとかバスとか有効にしてやると、なんとも力強い音が響くようになりました。スピーカーを換えたから鳴るようになったのだと思いたいです。

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