セルボHG21Sの純正オーディオに外部入力を
- カテゴリ: 雑記
- 投稿日時: 2015/06/29(月) 22:29:03
往復100kmの車通勤ってのはホントにイヤなもんです。自分で運転しなけりゃならないので、電車のように寝たり読書してるわけにはいかないのですよ。
往路はもっぱらラジオを聴いてます。時間の目安にするため、いわば時計代わり。いつものCMが入った時にここを越えていればOK、的な感じです。
山を越えていくので同じ局でも途中で周波数を変えないとダメ。トンネル区間はFMも入らないので仕方なくAMにしたりもします。
復路はiPhoneに突っ込んである音楽を聴くことが多いですね。iPhone5のころはこの記事のヘッドホンアンプを持ち込んでましたが、iPhone6にしてからはSpigenバンパの影響で簡単にはライン出力が取れなくなってしまいアンプは使ってません。いずれもFMトランスミッタに接続してラジオで聞いてます。
乗っているのは2009年(平成21年)7月登録のセルボHG21Sです。前の職場はうちから近く、日々そんなに長距離を乗るつもりもなかったので、これといった装備はついていません。
オーディオはもちろん純正。CDとラジオが聴けるだけで、外部入力端子もiPod接続インタフェースもなにもついてません。なのでiPhoneの音楽を再生するにはFMトランスミッタを使うしかなかったわけです。
FMトランスミッタ
FMトランスミッタで最初に買ったのはこれ。RadioPlay 300というもの。
アメリカでは結構売れ筋のもののようで、米Amazonとかディスカウントチェーン店のTargetとかで扱ってます。$30くらい。
日本のAmazonでも購入できるみたいですがメッチャ高いですね。
取説はこちら。多国語ですが日本語はありません。
http://interconnect.no/ViewFile.aspx?ItemID=4798
音はまあまあ。とはいえ、FMトランスミッタはふたつしか試してみていないので、どっちがいいと聞かれたらこっち、というレベルかなと。普通にノイジーだし混線もします。
ちなみにアメリカの製品なので周波数は88.1~107.9MHzですが、日本のラジオは90MHz以上に対応していませんのであまり意味なし。
次に買ったのはこれ。品番メーカーともに不明の逸品です。
新品をebayで買いました。日本円で送料込1200円という激安品です。
正直な話、音はいまいちです。高音も低音もごっそりとそぎ落とされたような、とても貧弱な音しかしません。bluetoothは便利だけど、ホントそれだけです。
外部入力端子があるので、例のヘッドホンポータブルアンプを間にかまして使用。多少はマシになりましたがやっぱりそれなりでしたね。
純正オーディオを社外品に交換するには
この時期、つまり自分がセルボを買った頃の他のスズキ車、ワゴンRとかパレットとかと同じく、純正オーディオはSANYO製です。スズキの品番は「39101-66K20-HFE」、SANYOのそれは「CDF-R3015W」ですね。
品番を頼りにググってみても、大した情報は得られません。マイナーな車種であるのに加えて、いじり好きで純正オーディオを選択するなんて奇特な人はあまりいないのでしょう。今や三洋電機はパナソニックの一部になってしまいましたしねぇ。
アクセサリカタログによると、純正オーディオ交換ガーニッシュは塗装違いで3種類。一番安いヤツは税抜1800円で品番は「73821-66K00-5PK」です。スクリュ(ネジ)も必要でこちらは税抜50円×4本。品番「03541-0516A」。他にも1DINポケットやらなんやら、いろいろつけなきゃなりません。こんなことならオーディオレスを選択しとけばよかったと思うも後の祭り。
仮に2000円払ってガーニッシュを手に入れたとして、社外オーディオは何がいいか。CDは全く聴かないので、ラジオと外部入力さえあれば事足ります。調べてみたら今どきは光学ドライブのないオーディオというのがあるのですね。
U393MSはAmazonで6500円。MVH-3100にいたっては5000円しません。安いです。
どちらもUSB接続でiPodがつながります。
新品にこだわらなければ、CDが壊れているジャンクなヘッドユニットをヤフオクで調達するという手もあります。最近のモデルならほぼ間違いなくAUX端子が付いています。
ってことで、純正オーディオをあきらめて社外品を導入する方向にココロが傾きつつありました。でもケチで貧乏な自分としては、いまいち踏ん切りがつきません。外した純正オーディオの処分にも困ります。
純正オーディオのオプション
SANYO製純正オーディオに後付けできるディーラーオプションは3つあります。ミュージックプレーヤーをUSB接続するためのキットと、携帯電話をハンズフリーで使うためのキットです。- iPod/USB接続ユニット 「99000-79W55」 本体価格18000円、工賃3800円
- ハンズフリーシステムキット(bluetooth対応)「99000-79S09」本体価格15500円、工賃2600円
- ハンズフリー通信ケーブル「99000-79S10」本体価格2500円、工賃3250円
ハンズフリー2点はなぜかSANYOではなくクラリオン製。ちなみにハンズフリー通信ケーブルというのは、平型10極のイヤホンマイク端子つまりガラケーに有線接続するためのもの。
取説によると、iPod/USB接続ユニットを付けると、純正オーディオの操作パネルでミュージックプレーヤーが操作できるようになるのだとか。曲やフォルダを選択する、再生静止スキップリピート、タイトル表示、などなど。個人的にはいらない機能ですね。そんなのミュージックプレーヤーというかiPhone本体でやればいいんじゃないかと思うわけで。
これは純正オーディオ取扱説明書の抜粋です。別売オプションを接続するコネクタ位置が図示されてますね。iPod/USB接続ユニットは丸い13PINコネクタ、ハンズフリーキットは四角い8PINコネクタのようです。コネクタがあって外部機器からの入力を受けているということは、これら端子のどこかがLINE INのはずだと考えるのは、ごく自然なことです、ハイ。
13ピンDINコネクタ
上図左側のiPod/USB接続ユニットを接続する丸いコネクタ。これはいわゆるDINコネクタで、13ピンのものは各社のCDチェンジャに採用されているらしいということがわかりました。
ただし13ピンのピン配には決まりはなくバラバラの模様。アルパイン、クラリオン、ケンウッド、パイオニア、ソニー、etc。各社でほぼ互換はありません。
国内外を問わず、いろいろな情報がありました。どこかの端子をGNDに落とすとAUXモードになるもの、CDチェンジャをつけたまま配線を分岐してLINE入力を乗っ取る方法、などなど。しかしながらSANYOのデッキでこれをやったという情報は見つけられませんでした。
そもそもこの純正オーディオにはCDチェンジャというオプションはありませんし、同じ方法で外部入力ができるのかどうかもわかりません。まあそこは一か八か。
13ピンDINコネクタは新品がヤフオクで売ってますし、CDチェンジャ用のケーブルをジャンク屋で入手することもできます。
ひとまず純正オーディオを外してピン配を調べてみることにしました。
純正オーディオを取り外して13ピンDINコネクタを調べる
取り外し方はみんカラとかで詳しく紹介されていましたのでそれに従いました。初めてカーオーディオをいじりましたが特に難しいことはなかったです。ハザードスイッチの取り外しが一番やっかいでした。背面はこんな感じ。一番左にあるのはラジオのアンテナです。その隣の黒い丸コネクタが件の13ピンDINコネクタ。一番右はスズキの20ピンコネクタですね。
机上で動作させるには車両と接続する20ピンコネクタに12Vを入れてあげればよいです。正面パネルのLCD表示が変化するかどうかを確認するだけでよいので、スピーカーはひとまず不要。
スズキのオーディオ用20ピンハーネスのピン配はこの図のとおりです。実は20ピンコネクタのピン配を調べるのに手こずりました。Webで得た情報のほとんどは、ギボシ処理された車種専用ハーネスの説明なので、線色は書いてあってもピン番号が書いてありません。クルマの配線ってそんなもんなんですかね。
1番バックアップ電源と9番ACC電源、11番GNDをつなげばLCDに時計なりなんなりの表示がされます。
12Vはボルティーから外したバッテリを使います。春先に確認したところ、もう2年間乗っていないのでバッテリは死んでました。とはいえ、時間をかけて充電すれば、ちょっとした確認程度の給電は可能です。ちなみに新しいバッテリは入手済みですがまだ車載していません。
話が前後しますが、バッテリをつなぐ前に、13ピンDINコネクタのバックアップ電源とACC電源およびGNDを特定しておきます。テスタで導通を測るわけです。
で、12Vを供給しながら、GNDと他のピンをショートさせてLCDの表示を確認するという作業を行います。13本しらみつぶしにやっていきますが、先に確認しておいたバックアップ電源とACC電源は除外します。ショートして燃えちゃいますからね。
結果は… 残念。LCDの表示はまったく変化しませんでした。単純にGNDに落とすだけでモードが変わるわけではないということです。何らかのコマンドをやり取りしているのでしょう。これでは歯が立ちません。
白くて四角い8ピンコネクタ
この時点ではほぼ諦めかけていましたが、それでもと思ってWebを徘徊。するとスズキラパンをいじっているひとのサイトに巡り合いました。
Hentecoなブログ
http://www.henteco.sakura.ne.jp/freo/index.php/category/car
スズキ純正オーディオ(クラリオン製)で、白くて四角い8ピンコネクタを使ってAUX取り出しに成功したとのこと。
このコネクタ、セルボの純正オーディオにもあります。しかも本来接続するのはクラリオンのハンズフリーキット。
試しにテスタであたってみると、ACCとGNDのピン配は同じです。他のピンも同じと思ってほぼ間違いないでしょう。
抵抗を入れずに短絡すると「TEL」モードになってしまうのだとか。まあツイーターもリヤスピーカーもない自車の場合はあんまり関係ない気もします。
ハーネスの作成
この白い四角8ピンコネクタは、025型NHシリーズ8極というもののようです。コンタクトをセットにしたものが配線コムで売られています。
でもここは徹底的に貧乏作戦で行ってみましょう。
このコネクタ、横4列縦2列の8ピンですが、横のピンピッチを測ると約2.5mm。たぶん正確には2.56mm(0.1inch)でしょう。これはPCのマザーボードなどに使われているピンヘッダと同じピッチです。ちなみに縦方向はちょっとだけ広め。
新品が欲しいのなら「QIコネクタ」というものを買えばよいです。2550コネクタともいいます。ハウジングは4Pで20円とか、コンタクトは5ヶで50円とか、ゴミみたいな値段です。
コンタクトを抜いて挿し直し、2番と7番のコンタクトには1.3kΩの抵抗をじかにハンダ付けしました。なおハンパな抵抗値は手持ち品がたまたま1.3kΩだったというだけです。
ケーブルの反対側には「3.5φステレオジャックパネル型」を付けてます。これも昔買った在庫品。
まったくお金をかけることなく、AUX対応ハーネスが完成しました。
出来上がったハーネスを純正オーディオ背面の白いコネクタに挿しました。抜け止めはありませんが割としっくり刺さっていて容易には抜けません。この状態で机上確認するとLCDの表示に変化が。わくわくしながらオーディオをクルマに戻します。
AUXの完成
はい、AUXつまり外部入力と表示されてます。FMボタンを押すとFMラジオ、AMボタンを押すとAMラジオに切り替わりますが、CDボタンを押すとAUXと表示されます。ディスクを入れると表示はCDと変わります。CDが入っているときにCDボタンを押すとAUXになります。実はこの動作、取説にちゃんと書いてありました。
AUXにして、ドキドキしながらiPhoneを接続、音楽アプリを立ち上げて再生。
ちょっと感動しました。この曲ってこんなに深い音したっけ、的な。
高音に伸びがあります。ベースがちゃんと聞こえます。FMトランスミッタとは比べ物にならない良い音がします。FM放送と同等くらいかな。
いろいろ紆余曲折もありましたが、自宅にあるものだけを使って実質ゼロ円で純正オーディオのAUX化ができました。大満足の結果です。
セルボで純正オーディオをお使いのあなた、是非トライしてみてください。
コメント
12件のコメントがあります
Great! Works to my cervo, tks!!
Mr.Panda-san
I'll be glad if I was of any help.
初めまして。TAKAと申します。
中古車でセルボHG21Sを手に入れて、DIYをやり始めた初心者です。
貴重な記事をアップしてくださり、とても感謝です。
見よう見まねで、純正ステレオにAUXを実装させて頂こうと悪戦苦闘いたしました。
目的は、スマホ(Android)を直接つないで、アプリ等からの再生をカーステレオで聞きたい、と思ったからです。
記事にあるように、8ピンコネクタと、抵抗を手に入れてハーネスを作成し、差し込んでみたのですが、結果的には残念ながらAUXモードになりませんでした。
CDボタンを押しても変化せず。ダメ元でCDを入れても変化せず、でした。
大変恐縮ながら、ご意見いただけると嬉しいなと思い、コメントさせて頂きました。
記事と違うのは、以下の通りです。※写真を参照頂ければ幸いです。
・別バッテリーを持っていないので、机上検査をしていない
・スマホのイヤホン端子に直接つなげたかったので、ハーネスの3本線のうち、LとRの先にジャックではなく、プラグを取り付けている。
・もう1本のGNDにはクワ型端子を取り付けている。
・2番と7番には1.5kΩの抵抗をつないでいる。
・テスターの扱いが分からないのもあるし、机上検査もできないので、テスターで調査をしていない。
記事と違うため、GNDをどこに繋いだらよいのか悩み、試しにステレオを外した時に奥にあった金具の穴にボルトを差し込んで、そこにクワ型端子を取り付けてみました。⇒結果ダメ。
初心者のため、抵抗のコンタクトへのはんだ付けが甘いのかも知れません。
また、GNDの繋ぐ場所が悪いのかもしれません。
他に根本的な間違いがあるのかもしれません。
もしよろしければ、お手すきの時にご意見いただければ幸いです。
TAKAさんこんばんは。コメントありがとうございます。
写真見ました。ちょっと判別しにくいのですが、クワ型端子に繋いである茶色の線は6番から出ていますよね。7番ではなくて。
クワ型端子で車体側に落とすのではなく、ステレオミニプラグのGNDに繋いでください。
ステレオミニプラグの端子は先端からL、R、GNDという割付です。
(↓記事の真ん中あたりに絵がありますので参照ください)
http://kyu.php.xdomain.jp/i...
ただ、2番-7番間に抵抗が入っているのに AUX の表示が出ないのは変です。
接触不良と思いますので確認してみてください。
健闘を祈ります。
コメントの返答を頂いていたことに今頃気づきました。詳しい説明ありがとうございます。
茶色の線は6番から出ています。
ステレオミニプラグのGND部分というのは恥ずかしながら全く知りませんでした。
GNDに繋ぐのは内部から繋ぐのが良いのでしょうが、家に余ってたプラグをくっつけただけでしたので、完全にL字のカバーに覆われているため、分解がむずかしそうですね。分解できるプラグを買った方が良さそうですかね。。
いずれにしてもアドバイスありがとうございました!
再チャレンジしてみます。
再チャレンジし、無事AUXの表示にこぎつけました。
しかしながら、ミニプラグをつないでも音はステレオから出てきませんでした。
なかなか難しい道のりですが、ミニプラグ買い替えて、つなぎ直してみようかと思います。
初めまして。
平成20年式のMRワゴン(MF22S)純正オーディオ(CDF-MD3012A)からAUXを取り出したく、参考にさせて頂いたところ上手くいきました。
こちらの記事を見つけられなければ諦めていたと思いますので、感謝感激です。有難うございました。
以下はご報告まで。
DIYは好きですが、電子工作はド素人です。半田ごては持っていますがまさかの100均…今回の作業で懲りたので、ちゃんとした温調付きのこてを買おうと思います(笑)
抵抗はカーボン1kΩ、余っていたオスオスのイヤホンケーブル、リンクのコネクターを購入して作成しましたが、コンタクトの圧着が甘かったらしくRが不安定に^^;ここまで小さなパーツを半田付けした事が無かったので勇気が要りましたが、何とかなりました。
オーディオの表示はAUX Loとなっています。取説に載っていない表示ですが、リアからも聞こえましたのでTELモードでは無く、成功と判断しました。
KAIさんこんばんは。
ご報告いただきありがとうございます。
CDF-MD3012A は CDF-R3015W と、MDがある以外はボタンレイアウトなどほぼ同じなのですね。
この記事がお役に立てたようで何よりです。
こんにちは、
私は日産モコ(MG22S)純正オーディオのサンヨー製からAUXを利用したくこちらのページに辿り着きました。
同じモデルで成功例があり、接続を試みています。
助言をいただきたいのですが、カーボン抵抗1K~1.5Kの「何W」の抵抗を利用すれば良いのでしょうか? 秋月電子のWEBを見ますと、1w、2w、4w、6wと種類があり選択に困っています。
お手数ですがご教授いただけると大変助かります。どうぞ、よろしくお願い致します。
TOSHI さんこんばんは。
自分でもすっかり忘れてますが、写真を見る限りでは 1/8W か 1/4W を使ってますね。多分 1/8W だとおもいます。
秋月だと送料が高いので、定形外郵便に対応してくれるところがいいですよ。
こんにちは!こちらを参考にアルト(HA24S)のサンヨー製純正オーディオで挑戦したところ、一発でうまくいきました。抵抗は1.3kΩの1/4Wです。丁寧に解説していただき、大変助かりました。ありがとうございます。
かとたさんお早うございます。
どうやら近年のサンヨー製純正オーディオはほぼ共通の仕様なのですね。まあ、変えてしまうとオプションとか全て設計し直しなので当然といえば当然です。
この記事がお役に立てたようでなによりです。